研究実績の概要 |
・緑内障と対照症例の血清中のリノール酸の酸化性生物(9-(Z,E)-HODE,9-(E,E)-HODE,10-(Z,E)-HODE,12-(Z,E)-HODE,10- and 12-(Z,E)-HODE,13-(Z,E)-HODE,13-(E,E)-HODE,9- and 13-(Z,E)-HODE,9- and 13-(E,E)-HODE,t-HODE,ZE/EE ratio),アラキドン酸(5-HETE,12-HETE,15-HETE,t-HETE)の酸化生成物を,サンプルの還元処理,ケン化処理とLC-MS/MSにより網羅的に測定した。 ・特に,HODE異性体総合値およびラジカル酸化特異的酸化物[9-(E,E)-HODE,13-(E,E)-HODE],一重項酸素特異的酸化物[10-,12-(Z,E)-HODE],及び抗酸化能指標[9-, 13-(Z,E)/(E,E)比]に注目した。 ・測定されたHODE、HETE値と全身・局所性変化との関連および緑内障病型,眼圧,緑内障進行度との相関解析を行った。 ・原発開放隅角緑内障群は対照群に比べて血清中のある種のHODEs、HETEsが有意に高値であった。多変量解析にて背景因子を補正した後も、原発開放隅角緑内障のリスク因子として未治療時眼圧高値、ある種のHODEとHETEの異性体レベルの高値が有意な因子であり、全身の酸化ストレスが眼圧上昇,緑内障発症に関与していることが示唆された。 ・本研究により,HODE,HETEの緑内障バイオマーカーとしての可能性が示された。 ・本研究成果について学会発表を行った。現在,論文投稿の準備を進めている。
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