本研究では、キサントフィルが網膜内に取り込まれる機構や、網膜の機能に果たす役割を明らかにすることを目的として、網膜を構成する細胞である網膜色素上皮細胞と網膜グリア細胞を用いて、キサントフィルの細胞内への取り込みとその経路、そして細胞の遊走に及ぼす影響について検討した。ルテインは濃度および時間依存性に細胞内に取り込まれることが明らかになった。既知のルテイン輸送経路を阻害してもルテインの取り込みに有意な変化はみられなかった。また、ルテインは細胞遊走に対して有意な影響を及ぼさなかった。今後、細胞内ルテインの代謝とルテインの役割について詳細に検討することが課題と考えられた。
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