研究課題/領域番号 |
15K10874
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
加藤 亜紀 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60405157)
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研究分担者 |
安川 力 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (00324632)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | スフェロイド形成 / タイムラプス |
研究実績の概要 |
1.ヒト網膜色素上皮(RPE)の培養およびスフェロイド作製:販売目的で海外の研究所において人眼から分離・培養し、国内のメーカーが輸入した網膜色素上皮細胞を継代培養下。加齢眼由来のリポフスチンの影響を排除するため4代以上継代した細胞を維持した。培地は一般的に上皮細胞の増殖に用いられる培地を用いて、血清及び抗菌剤を除いては増殖因子や分化誘導因子などは添加しなかったが、培養が可能であった。培養した網膜色素上皮細胞を採取し培地にメチルセルロースを添加し、98ウェルラウンドボトムプレートに6750 cell /wellの網膜色素上皮細胞を撒きスフェロイドを作製した。 2.RPEスフェロイドにおけるGタンパク発現の検討:RPEスフェロイド作製後、数時間(24時間まで)ごと、その後1日ごとにスフェロイドを採取し、cDNAを採取した。 3. RPEスフェロイドにおけるブルッフ膜様膜構造の生成過程の検討:RPEスフェロイド作製後、1日ごとでスフェロイドを経時的に採取し免疫染色でアクチンの発現状態を観察した。また、タイムラプス撮影タイムラプス撮影が可能な顕微鏡下で培養を行い、RPEをプレートに蒔いてから、スフェロイドができるまでの過程を連続的に撮影し、経時変化を検討した。 4. Rhoキナーゼ阻害薬の検討:RPEスフェロイドを作製する際に種々の濃度のRhoキナ-ゼ阻害薬を培地に添加して、タイムラプス撮影を行い、スフェロイドの生成過程を検討、スフェロイドの直径を評価した。 5.Rhoキナーゼ阻害薬添加後の各タンパク質の発現の検討:Rhoキナーゼ阻害薬の有無により、各タイムポイントでの関連タンパク質の発現を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遅れている理由 RPEスフェロイド作製後、数時間(24時間まで)ごと、その後1日ごとにスフェロイドを採取し、Gタンパク(RhoA, Rac, Cdc42)の発現をRNAレベル、タンパク質レベルで経時的に測定する予定であったが、スフェロイドが安定する3日以内のサンプルを的確に採取することが困難であったため、4日後、7日後での評価に変更した。早期のサンプルでのELISAやPCRでの評価は今後の検討課題である。 また、研究室の構成員の変更により、電子顕微鏡のサンプルを扱える人が不足しており、電子顕微鏡による検討が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
RPEスフェロイドにおけるGタンパク発現の検討:スフェロイドにおけるGタンパク(RhoA, Rac, Cdc42)の発現を測定する。 Gタンパク発現抑制:継代培養中の網膜色素上皮細胞において、RPEスフェロイドを作製する直前におのおののGタンパク質(RhoA, Rac, Cdc42)のsiRNAの導入を行い、siRNA導入網膜色素上皮細胞を用いたスフェロイド作製を行う。 Gタンパク発現の検討:siRNA導入RPEスフェロイドを経時的に採取し、Gタンパクの発現をReal time RCR、ELISAおよびウェスタンブロットで評価する。 RPEスフェロイドにおけるブルッフ膜様膜構造の生成過程の検討:電子顕微鏡による観察がや蛍光顕微鏡を用いての評価を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬、物品の購入に際して端数がでたため。
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次年度使用額の使用計画 |
物品購入費に充てる
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