研究課題/領域番号 |
15K10876
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
小門 正英 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30445085)
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研究分担者 |
雑賀 司珠也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40254544)
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50264891)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 創傷治癒 |
研究実績の概要 |
in vitroで、siRNAによるEPPKノックダウンを用いて、表皮細胞内結合因子であるEPPKの役割の検討を行った。ヒト角膜上皮培養細胞株(Araki-Sasaki細胞)で、EPPK-siRNA導入を用いてEPPKをノックダウンした。コンフルエント状態でシリコン針で線状欠損部を作成し、スクラッチアッセイを行った。すなわち、線状の欠損部閉鎖の経時的閉鎖の経時的変化に対するEPPKノックダウンの影響を30時間後まで3時間ごと検討した。EPPKと関係が深く、細胞遊走に関係すると他の細胞で報告されているkerain6の発現をwestern blottingで検討した。増殖能については、アラマーブルーアッセイで30分後と60分後で比較した。 結果は、Western blottingとRT-PCRでヒト角膜上皮培養細胞株(Araki-Sasaki細胞)でのEPPKのノックダウンを確認した。シリコン針による線状欠損部のスクラッチアッセイで30時間後までの観察においては、3時間後と9時間後でコントロール細胞に比べてEPPKノックダウンで有意に欠損部の閉鎖が亢進していた。western blottingによる検討では、E-cadherin,keratin6,vimentinの発現低下を検出した。アラマーブルーアッセイでは、EPPKノックダウンで30分後、60分後とも有意に増殖が亢進していた。 また、角膜特異的プラコグロビン遺伝子欠損マウスについては、(jup/jup)floxマウスと(jup/+;Krt12Cre/+)マウスの交配から、(jup/jup,krt12)を作成し、角膜上皮の形態について光学顕微鏡観察、免疫組織化学で比較検討を行った。角膜特異的プラコグロビン遺伝子欠損マウスで、keratin14の重層化を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
EPPKのE-cadherin発現と細胞遊走での役割についてのin vivoでの結果は、ヒト角膜上皮細胞株を用いたsiRNA法によるin vitroの実験で再現できた。増殖能に関しては、in vivoとin vitroで逆の結果であった。また、角膜特異的プラコグロビン遺伝子欠損マウスを作成した。
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今後の研究の推進方策 |
作成した、角膜特異的プラコグロビン遺伝子欠損マウス用いて、角膜上皮の形態、創傷治癒についてさらに検討を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内で抗体を購入予定であったが、輸入が必要となったため、購入が次年度となった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に研究計画を致します。
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