研究課題/領域番号 |
15K10876
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
小門 正英 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30445085)
|
研究分担者 |
雑賀 司珠也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40254544)
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50264891)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 創傷治癒 |
研究実績の概要 |
ケラチン12-CreマウスとJUP-floxマウスの交配で角膜特異的プラコグロビン(JUP)欠損マウスを得た。 我々は、以前Epiplakin(EPPK)ノックアウトマウスにおける角膜上皮の脆弱性を報告した。プラコグロビンは、ケラチン中間系フィラメントと結合するデスモゾームの構成成分であるが、EPPKと同じ、ケラチン中間系フィラメントとの結合に関与しているプラコグロビンの角膜特異的プラコグロビン欠損マウスにおける角膜上皮の脆弱性の有無を比較するために、野生型マウスおよび角膜特異的JUP欠損マウスの角膜上皮をブラシで2回擦過し、直後に摘出した眼球を透過電顕写真で比較検討した。 野生型マウスでは擦過時の角膜上皮の障害が、角膜上皮のごく表層に留まるのに対に対して、角膜特異的JUP欠損マウスは角膜上皮欠損がより深い層におよび、翼細胞まで達していた。電子顕微鏡的には基底膜構造に差異は見られなかった。 以上の結果から角膜特異的JUP欠損マウスでの角膜上皮の脆弱性が示された。細胞骨格や細胞間接着の障害が想定された。JUP遺伝子異常症例のNaxos病ではNaxos病という,エーゲ海・Naxos島の風土病として知られ,手掌などの角化症とwoolly hairという特徴的な髪の毛の異常を合併する病気があることがギリシャのProtonotarios博士らにより報告されているが、不整脈以外に眼科診療も重要であると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
透過電顕写真で、角膜特異的JUP欠損マウスでの角膜上皮の脆弱性が示された。
|
今後の研究の推進方策 |
角膜特異的プラコグロビン欠損マウスを用いて、角膜上皮の創傷治癒についてさらに検討を進めていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
国内で抗体を購入予定であったが、輸入が必要となったため、購入が次年度になった。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度に購入計画をいたします。
|