研究課題
神経麻痺性角膜症マウスモデルを作成した。定位脳手術装置を使用し、頭蓋外から20Gのジアテルミー電極を挿入し、三叉神経第1枝を凝固する。このマウスモデルは、角膜の透明性は維持されるものの、瞬目反応や、角膜知覚計を用いた検査で、角膜知覚の低下を確認している。またこのマウスモデルは角膜上皮欠損の創傷治癒が遅延する。角膜のWhole mountのでニューロンを標識するマーカーであるneuron specific Class III β-tubulin (Tuj1)を免疫染色すると、このモデルマウスは角膜周辺部に三叉神経は残存するものの、角膜中央部の神経は消失していた。頭蓋外からこの障害三叉神経第1枝にTRPV4 AAVを注入し、角膜上皮欠損の創傷治癒速度がが改善されることを確認した。この時、三叉神経及び角膜でTRPV4が過剰に発現したことを確認している。角膜Whole mountでTuj1を染色しても角膜神経の再生は求められなかった。この時の角膜は、real time RT-PCRや免疫染色でNGFの発現上昇が認められたが、神経に関連すると報告があるサブスタンスPやCGRPの発現上昇は認めなかった。神経麻痺性角膜症では、角膜及び障害三叉神経でTRPV4を過剰発現することで、角膜上皮欠損の創傷治癒遅延を改善することができた。TRPV4はこの時、角膜のNGF発現の上昇が関与していると考えられた。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Lab Invest.
巻: 99 ページ: 210-230
10.1038/s41374-018-0118-4.