現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りAMDの病態形成におけるHIFの役割を明らかとしつつある。 作製したRPE細胞特異的HIFおよびVHLコンディショナルノックアウトマウスの表現型を解析することで、RPEにおけるHIFの過剰発現が、網膜変性を誘導することを見出した。また、網膜切片の組織学的な検証や代謝変化を検証することにより、HIFの過剰な発現がグルコースや脂質の代謝に影響を与え、その結果網膜変性が引き起こされることを明らかにし、HIFを阻害することによるAMDへの新たな治療の可能性を見出し、論文報告した(Kurihara T, et al. eLife 2016, Kurihara T. Prog Brain Res 2017)。さらに、既知HIF阻害剤であるトポテカンの投与実験を行い、網膜萎縮性変性モデル(Miwa Y, Kurihara T et al. ARVO Annual Meeting 2016)および網膜血管新生性変性モデルに対するその治療的抑制効果を確認した(三輪、栗原ら. 第121回 日本眼科学会総会)。さらに新規HIF阻害剤の開発を目指し天然物や低分子化合物のライブラリーを用いたドラッグスクリーニングを行い、いくつかの候補物質を同定特許出願した(2016年11月14日出願)。
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