研究課題/領域番号 |
15K10884
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
柿崎 裕彦 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20329783)
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研究分担者 |
中野 隆 愛知医科大学, 医学部, 教授 (30148332)
高橋 靖弘 愛知医科大学, 医学部, 講師 (70557206)
道勇 学 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90293703)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 甲状腺眼症 / 平滑筋細胞 / 外眼筋周囲脂肪組織 / 線維芽細胞 / 筋線維芽細胞 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、1. 外眼筋周囲脂肪組織における平滑筋細胞比率の検証とその単離手法の確立:外眼筋周囲脂肪組織をコラゲナーゼ処理して単核細胞を得、CD45陰性、CD34およびCD45f陽性を平滑筋細胞の指標として存在比率を確認するとともに、sortingにより外眼筋周囲脂肪由来平滑筋細胞を得る。2. 単離した平滑筋細胞の発現解析による眼窩内平滑筋細胞特性の解析:単離した細胞群の遺伝子発現が平滑筋細胞のそれと一致するかを検討するとともに、眼窩組織以外から得られた平滑筋細胞と発現解析比較を実施、特に甲状腺ホルモン感受性核内転写因子に着目する。3. 解剖用死体標本を用いた眼窩内の筋線維芽細胞の分布の調査:眼窩摘出標本でスライス作成後、筋線維芽細胞の分布を調べる。
以上、3項目を研究計画の予定としたが、本研究課題においてまず最初に明らかにしなくてはならない3の眼窩内における筋線維芽細胞の分布において、組織染色が十分でなく、再染色を行っている最中である。解剖用死体標本からの眼窩組織の摘出は終えており、染色が完了すれば3を明らかにすることができる。3を終えた後に1,2を開始する予定であったので、1,2に関しては、従って、まだ開始していない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題においてまず最初に明らかにしなくてはならない3の眼窩内における筋線維芽細胞の分布において、組織染色が十分でなかったため。現在、再染色を行っている最中である。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、平成27年度の研究課題3の「解剖用死体標本を用いた眼窩内の筋線維芽細胞の分布の調査:眼窩摘出標本でスライス作成後、筋線維芽細胞の分布を調べる。」を速やかに遂行し、直ちに、平成27年度研究課題1,2に移れるようにする。その後、平成28年度の研究課題に取り組むこととする。「1. 平滑筋細胞へのTGF-β1, 2, 3 による筋線維芽細胞への分化転換の確認」では、TGF- β1, 2, 3 添加培養前後で定量的PCR を施行し、平滑筋細胞及び筋線維芽細胞の分化マーカーであるmyosin、desmin、vimentin、tenascin-C、α-smooth muscle actin のmRNA 発現量を測定、その変化を調べる。これらを対照と比較することによって、甲状腺眼症における眼窩内平滑筋細胞が、TGF- β に対して過敏性を有するか検討する。「2. TGF-β1, 2, 3 の筋線維芽細胞への分化転換適性比率の検証」に関しては、TGF- β1, 2, 3 の添加濃度を濃、中、薄の各3 種類つくり、各々定量的PCR を施行してmyosin、desmin、vimentin、tenascin-C、α-smooth muscle actin のmRNA 発現量を測定、その変化を調べる。これらを対照と比較することによって、甲状腺眼症における眼窩内平滑筋細胞を筋線維芽細胞へと分化させるTGF- β 環境を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の研究課題3がまだ終わっておらず、従って、その結果をもって遂行しようと考えていた平成27年度の研究課題1,2をまだ始めていないため。
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次年度使用額の使用計画 |
速やかに平成27年度の研究課題3を終了し、1,2に移り、これを完了する。
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