研究課題
フックス角膜内皮ジストロフィは、角膜内皮障害を生じる疾患であり進行すると角膜の白濁による重症の視力低下を生じる。近年、TCF4遺伝子の第3イントロンにおけるCTG反復配列の伸長が多くの患者に認められ、最も高頻度(罹患率約4%)なトリプレットリピート病である可能性が報告されている。一方で、CTG反復配列の伸長がどのように疾患メカニズムに関係しているかについてはほとんど分かっていない。申請者らはこれまでに、 フックス角膜内皮ジストロフィ患者の組織ライブラリーの構築、疾患モデル細胞の樹立を行い、解析を進めることで フックス角膜内皮ジストロフィの病態が「TGF-βシグナルの活性化による細胞外マトリックスの過剰産生が、小胞体ストレスの活性化を介して角膜内皮のアポトーシスを誘導すること」であることを報告してきた。本研究では、疾患モデル細胞を用いたin vitroでの検討を行いTCF4遺伝子のノックアウトが細胞外マトリックスの過剰産生や小胞体ストレスの活性化といったフックス角膜内皮ジストロフィの病態に与える影響について検討した。これらの検討はCTG反復配列の伸長がどのように、我々が明らかにしてきた病態の経路につながり、 フックス角膜内皮ジストロフィの遺伝的背景となっているのかについて新たな知見をもたらした。今後、さらに検討を進めることで、申請者らの独自の視点と手法により、 フックス角膜内皮ジストロフィの病態の解明を可能にし、さらには創薬ターゲットの同定による新規治療薬の開発にも繋がると考えている。
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