研究課題
ヒト慢性炎症の病態形成に終えるFactor X (投稿準備中のため)の関与を解析することを目的にして、さまざまな慢性炎症性眼疾患患者から涙液及び血清を採取してそこから抽出されるFactor Xの発現量を調べた。その結果、角膜疾患のすべてにおいて正常コントロールと比較して優位に濃度が高く、特に目のストレス疾患であるドライアイ患者の涙液において有意に高値を示すことが明らかとなった。炎症の関与があまり知られていない円錐角膜患者でも高値を示すことが明らかとなった。また、炎症系培養細胞において患者涙液の存在下で、炎症性サイトカインの発現上昇が認められ涙液中のFactor Xをはじめとした因子が慢性炎症の病態発現に関与する可能性が明らかになり、その成果を眼疾患のバイオマーカー、ストレスバイオマーカーとして特許申請した(PCT/JP2017/12689、PCT/JP2017/12690)。また、ストレスが原因で発症する、後眼部疾患において血清中のFactor Xが正常コントロールと比較して優位に濃度が高いことを、初めて示しその成果を特許申請した(PCT/JP2017/12689、PCT/JP2017/12690)。
2: おおむね順調に進展している
サンプリングを完了し、データ解析も終了し、優位差を持って十分なデータ比較を完了している。研究成果も、特許出願を完了し、論文作成にむけて順調なデータ収集が行えている。
臨床サンプルの継続的な解析を進める、様々なストレス状態におけるFactor Xの変動を検出しその他の因子(年齢・性別・職業・定量的なストレス状態)を含めたデータベースを構築する。核酸以外(例えばmiRNA)などの他の因子とストレスの関連についても解析する。臨床検体を用いた、涙液・血液における免疫賦活因子の生理活性を免疫応答レポーター細胞を用いたin vitroアッセイ系により評価する。
おおむね計画通りに予算の消化ができたが、前年度よりの戻残額があったため。
今年度はより多くのサンプル処理を予定しているため、計画通りに予算の適正な使用が可能と考えている。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 産業財産権 (2件) (うち外国 2件)
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