研究課題/領域番号 |
15K10896
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
武田 篤信 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40560313)
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研究分担者 |
木村 和博 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60335255)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 免疫抑制 / 網膜色素上皮細胞 / T細胞 / ぶどう膜炎 |
研究実績の概要 |
(目的)エネルギー代謝調節作用のあるニューロメジンU(以下NmU)による炎症制御機能とぶどう膜炎の病態との関連を明らかにすること。 (方法)NmU刺激でのRPEのT細胞抑制増強能の有無を調べた。野生型マウス(C57BL/6J)由来のRPEを単離後、以下の実験を進めた。 ① EAU誘導後14日目の野生型マウスの所属リンパ節からCD3陽性T細胞を磁気細胞分離法で調整する。RPEをovernightで培養した後、IRBP抗原特異的T細胞を共培養し、IRBP抗原ペプチド刺激の有無に加え、NmU刺激を行い、48時間後の培養上清を回収する。培養上清中のIRBP抗原特異的IL-17産生能をELISA法で調べた。②と同様の実験をEAU誘導後14日目の野生型マウスの所属リンパ節からCD4陽性T細胞を磁気細胞分離法で調整し、行った。 (研究結果)① 抗原特異的T細胞単独で培養した場合にNmU刺激を加えても、IRBP抗原特異的IL-17産生能に変化がなかった。RPEとの共培養をした場合にはNmU刺激を加えるとIRBP抗原特異的T細胞のIL-17産生能は有意に抑制されていた。②CD4陽性T細胞では、RPEとの共培養時にNmUに刺激を加えても、IRBP抗原特異的IL-17産生能に変化がなかった。 以上の結果から、NmUによる眼局所の抗原特異的免疫制御はRPEを介していること、かつCD4陽性T細胞以外の制御性細胞を誘導する機構の存在が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
NmU遺伝子欠損マウスが実験計画通りに増えてくれなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
NmUによる眼局所の抗原特異的免疫制御はRPEを介していること、かつCD4陽性T細胞以外の制御性細胞を誘導する機構の存在が示唆された。 免疫特権組織としての眼内の免疫寛容にはCD8陽性T細胞の関与が報告されており、この点に着目し、NmUによる また、コントロールマウスとNmU欠損マウスにおける抗原提示細胞のCD80、CD86、PD-1などの表面マーカーを調べ、抗原提示細胞の活性化機構への関与についても調べる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
NmU遺伝子欠損マウスが実験計画通りに増えてくれなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
NmUによるのぶどう膜炎の役割についてさらに解析するために、コントロールマウスとNmU欠損マウスにおける抗原提示細胞のCD80、CD86、PD-1などの表面マーカーを調べ比較することで、NmUの抗原提示細胞の活性化機構への関与についても調べる予定である。 免疫特権組織としての眼内の免疫寛容にはCD8陽性T細胞の関与が報告されており、この点に着目し、NmUによる眼局所の抗原特異的免疫制御はRPEを介していること、かつCD4陽性T細胞以外の制御性細胞を誘導する機構の存在が示唆された。
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