研究課題
マウス実験的ぶどう膜炎(EAU)誘導眼における摂食関連ペプチドニューロメジンU(NmU)受容体1及びNmU受容体2の発現を免疫染色法で調べたところ、NmU受容体1は網膜色素上皮細胞(RPE)、毛様体上皮細胞、虹彩上皮細胞(IPE)、網膜ミューラー細胞に、NmU受容体2はRPE、毛様体上皮細胞、IPEに発現がみられた。In vitroにおいて、RPEを、マイトマイシンCで処理した脾臓細胞とEAU誘導後16日目の所属リンパ節由来CD3陽性T細胞またはCD4陽性T細胞で共培養し、IRBP抗原刺激により抗原特異的IFN-γ及びIL-17産生をELISA法で調べた。RPE存在下ではCD3陽性T細胞のIRBP抗原特異的IFN-γ及びIL-17産生によるが低下していた。一方、CD4陽性T細胞のIRBP抗原特異的IFN-γ及びIL-17産生では影響がなかった。EAUにおいて、EAU誘導後のコントロールマウスとNmU欠損マウス(NmU KO)におけるIRBP抗原特異的IFN-γ及びIL-17産生を比較したところ、NmU KOで減少していた。眼においてはIFN-γ及びIL-17、MCP-1などのケモカインの遺伝子発現がKOで上昇しており、それに一致して炎症細胞浸潤がKOで増加していた。また、CD4陽性細胞をNmU KO、脾臓細胞をコントロールマウス由来にしたところ、CD4陽性細胞をコントロールマウス、脾臓細胞をNmU KO由来の場合と比し、抗原特異的IFN-γ及びIL-17産生が有意に減少していたところから、EAUにおけるNmUの関与はCD4陽性T細胞側にあることが示唆された。NmU欠損マウスにおけるEAUの眼における炎症惹起作用と所属リンパ節での免疫応答減弱の解離のメカニズムの解析について、後述の実験計画を検討中である。
3: やや遅れている
NmU欠損マウスにおけるEAUの眼における炎症惹起作用と所属リンパ節での免疫応答減弱の解離のメカニズムの解析が遅れている。
NmU欠損マウスにおけるEAUの眼での炎症惹起作用と所属リンパ節での免疫応答減弱の解離のメカニズムの解析において、IRBP-tetramerの作製を検討中である。所属リンパ節から眼内への抗原特異的CD4陽性T細胞の集積が生じている可能性を考えている。抗原特異的tetramerを使用したフローサイトメトリーにより、眼内への抗原特異的CD4陽性T細胞の割合の増加、所属リンパ節での割合の減少が検出できる可能性がある。また、抗原特異的tetramerにより抗原特異的CD4陽性T細胞のソーティングが可能となれば、EAU誘導後のNmU KOにおけるIRBP抗原特異的IFN-γ及びIL-17の低下が、所属リンパ節での原特異的CD4陽性T細胞の割合の減少を反映していることを明らかにする一助となる可能性がある。眼内への抗原特異的CD4陽性T細胞の集積に関与するケモカインなどの液性因子の探索を行う予定である。また、RPEよりもIPEの方が免疫抑制作用が強いとの報告がある。そのため、IPEの分離培養を行い、in vitroにおいてIPEによる抗原特異的CD4陽性細胞のIFN-γ及びIL-17産生などの免疫抑制能を明らかにすることができる可能性がある。
NmU欠損マウスにおけるEAUの眼での炎症惹起作用と所属リンパ節での免疫応答減弱の解離のメカニズムの解析において、IRBP-tetramerの作製を検討中である。所属リンパ節から眼内への抗原特異的CD4陽性T細胞の集積が生じている可能性を考えている。抗原特異的tetramerを使用したフローサイトメトリーにより、眼内への抗原特異的CD4陽性T細胞の割合の増加、所属リンパ節での割合の減少が検出でする。また、抗原特異的tetramerにより抗原特異的CD4陽性T細胞のソーティングし、EAU誘導後のNmU KOにおけるIRBP抗原特異的IFN-γ及びIL-17の産生をコントロールマウスと比較する。眼内への抗原特異的CD4陽性T細胞の集積に関与するケモカインなどの液性因子の探索を行う。
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