研究課題
G蛋白結合受容体P2RX7はTリンパ球に発現し、特にFoxp3陽性制御性T細胞(Treg)を介して炎症制御に関与する報告がある。我々は実験的ぶどう膜炎モデル(EAU)におけるP2X7の関与を調べるためにP2RX7欠損マウス(P2RX7 KO)及びコントロールマウス(C)にヒトIRBPペプチドで免疫してEAUを誘導した。P2RX7 KOではEAU臨床スコア及び組織学的スコアがコントロールマウスと比し低く、EAUが抑制されていた。P2RX7 KOでは 所属リンパ節由来CD4陽性T細胞における抗原特異的IFN-g、IL-17の産生能が低下していた。ところが、Foxp3陽性T細胞の分画には差がなかった。野生型マウスにP2RX7阻害剤であるBrilliant Blue G(BBG)または基剤を投与すると基剤投与群に比しBBG投与群ではEAUが抑制されていた。EAUにおいてP2RX7はeffector T細胞を活性化しEAUに関与することがわかり、P2RX7がぶどう膜炎治療の標的となる可能性が示唆された。本課題においては、EAUにおいて抗原特異的CD4陽性T細胞の眼内浸潤についてIRBP-tetramerを用いてNmU KOとコントロールマウスにEAUを誘導しFACSにて調べた。EAU誘導後day16においてNmU KOではコントロールマウスと比しIRBP特異的T細胞の浸潤が増加していた。一方、NmUが2型自然リンパ球(ILC2)の活性化に関与し炎症励起することが別のグループから報告された。そこで、NmU KOとコントロールマウスにEAUを誘導し、ILC2の眼内浸潤について調べたところ両者にはILC2の浸潤が検出されなかった。眼内においてNmUのEAU抑制能についてはILCではなく、RPEを介した機構の関与が関係していると結論し、実験を詰めているところである。
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