研究課題
1.加齢黄斑変性における網膜色素上皮細胞(RPE)の網膜内遊走に関するtranslational research。本研究では、多機能Jones matrix OCTで得られたメラニン3次元分布と臨床用自家蛍光画像を比較検討する事により、Hyper reflective fociの中からRPE網膜内遊走を判別した。この結果、RPE網膜内遊走が網膜色素上皮剥離では高頻度に観察される事が判った。本研究の成果が2017年6月に英文誌Scientific Reports に掲載された。2. Vogt-Koyanagi-Harada disease(VKH病)の夕焼状眼底の定量解析関するtranslational research。VKH病28眼を対象にしたtranslational researchである。本研究では、多機能Jones matrix OCTで得られた脈絡膜メラニン3次元分布から、夕焼け状眼底の定量解析を実施した。本研究の成果が2017年9月に英文誌Invest Ophthalmol Vis Sciに掲載された。3. 網膜内メラニン分布3次元マッピング。研究初期段階では、網脈絡膜のすべての層を含む3次元データを基に偏光均一性の最小値のprojection mapを作成していた。得られた2次元画像は、しかし脈絡膜メラニンの影響が大きくRPEの解析には限界があった。そこで、これを解決するために各B-scan画像を手動でRPEと脈絡膜をsegmentationした。しかし手動操作は時間がかかり臨床現場での実施は困難である。そこで多機能Jones matrix OCTで得られた網脈絡膜メラニン3次元分布からRPE関連要素を自動抽出する手法を開発した。本手法はJones matrix OCTで得られるマルチコントラスト情報(強度信号減衰相関、血流信号、偏光均一性)をもとに、脈絡膜メラニンを自動判別除去するものである。本手法により、近赤外自家蛍光画像に近似した画像を3次元で作成することに成功した。本研究の成果を英文誌Biomedical Optics Expressに投稿し、現在査読進行中である。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Scientific Reports
巻: 7 ページ: 3150 - 3161
10.1038/s41598-017-03529-8
Biomed Opt Express
巻: 8 ページ: 2069 - 2087
10.1364/BOE.8.002069
Invest Ophthalmol Vis Sci
巻: 58 ページ: 4467-4476
10.1167/iovs.17-22117
視覚の科学
巻: 38 ページ: 107 - 113
10.11432/jpnjvissci.38.107
http://www.tokyo-med.ac.jp/iba-eye/miura_title.html