アデノウイルスは流行性角結膜炎の原因ウイルスであり,毎年流行を繰り返している。近年新型が出現し,その眼科的臨床像が変化してきている。複数の新型アデノウイルス臨床株に対して,スタブジンの増殖抑制作用をin vitroで検討した。既知の4型,64型と同様に,53型,54型および56型に対して,スタブジンは濃度依存的抑制作用がみられた。現在わが国で流行を生じているアデノウイルスに対してもスタブジンは有効であることが示された。54型アデノウイルス結膜炎の臨床所見を解析したところ,若年齢群の臨床スコアは成人群よりも有意に高く,年齢的な相違が認められ,臨床的に注意を要する。
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