研究課題/領域番号 |
15K10912
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐々 由季生 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80580315)
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研究分担者 |
奥野 龍禎 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00464248)
石橋 達朗 九州大学, 大学病院, 病院長 (30150428)
向野 利寛 福岡大学, 医学部, 教授 (40117106)
福島 修一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40362644)
吉田 茂生 九州大学, 医学研究院, 准教授 (50363370)
安井 武史 徳島大学, 大学院理工学研究部, 教授 (70314408)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | SHG顕微鏡 / 血管新生モデル / SEMA4A / 血清濃度 / 硝子体濃度 |
研究実績の概要 |
我々はこの一年間で、第二次高調波光を用いた、血管新生の評価モデルについて、その評価方法を検討した。新規評価方法は、コラーゲンゲルに血管内皮細胞および、線維芽細胞を共培養して、培養液刺激によって、できる脈管形成におけるその周囲のコラーゲン線維の形状をSHG顕微鏡を用いて評価するものである。糖尿病網膜症における新生血管膜の成熟過程をモデル化した評価方法である。また、以前より知財として特許出願していた新規コラーゲン線維化評価モデルについて、その評価方法の有用性を示すために、追加評価を行い、今年度末に特許登録をすることができた。 患者血液サンプルや、硝子体サンプルを用いたSEMA4Aたんぱくの生体内濃度の評価は継続中である。本年度7月より、福大筑紫病院を辞して、浜の町病院所属となり、福岡大学筑紫病院のサンプルに加えて、新しい病院でも、研究環境を整えて、サンプルを収集中である。筑紫病院のサンプルは、現在研究員を一人配置して、サンプルの管理を行っている。 加えて、筑紫病院の硝子体サンプルを使用して、そのほかの炎症系サイトカイン(MCP-1等)やTenascin-Cなどの評価も行っており、MCP-1の硝子体術後の再手術症例で果たす役割について明らかとしており、論文として発表した。一方で、Tenascin-Cの増殖膜形成に関わる働きや、網膜内血管新生における機能について、明らかにしており、論文として発表している。今後もSEMA4Aと病因たんぱくとの発現相関を調べる目的で、他タンパクについいても検討を加える予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
勤務病院を7月より変更することとなり、研究環境を整えるために一定の時間を必要とした。当院では今年度は視神経炎の患者の来院はなく、視神経炎患者サンプルの収集に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
九州大学眼科と共同で研究を行うことで、視神経炎患者血液数を伸ばす予定である。また、当病院では、ウイルス性網膜炎患者が年間2名ほど出ている。血液疾患の多い病院である特徴を生かして、ウイルス性網膜炎などについても、検討を重ねる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、勤務地が福岡大学筑紫病院から浜の町病院へと変更になったために、サンプル収集について臨床研究の許可を得るなどの研究環境を整える必要性が生じたため、予定していた細胞実験を用いた機能解析を行う時間的な余裕を失った。その代わりに、SHG顕微鏡を用いた新たな評価方法について検討を加えた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、SEMA4Aたんぱくの機能解析に時間を割く予定である。
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