研究課題/領域番号 |
15K10917
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
齋藤 武 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (20406044)
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研究分担者 |
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20208523)
吉田 英生 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (60210712)
坂本 明美 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 准教授 (90359597)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 胆道閉鎖症 / 制御性T細胞 / 機能解析 / subpopulation / 小児外科学 |
研究実績の概要 |
平成29年度はBA肝組織中におけるbona fide Tregの局在と発現量を探索した。免染を施行するとBAでは、一般的CD4+CD25+細胞は一視野あたり肝小葉で7.7±3.4個/F、門脈域では8.6±5.4個/F(p=0.43)で、ほぼ一様であった。抑制効果が顕著とされるCD4+CD25+CD45RA-FoxP3high細胞の局在は、肝小葉5.4±2.5個/Fに対し門脈域で2.3±2.0個/Fと有意に減少していた(p=0.03)。non-BA(先天性胆道拡張症)では、CD4+CD25+細胞は4.3±3.1個/F(肝小葉):6.5±3.6個/F(門脈域) (p=0.36)、CD4+CD25+CD45RA-FoxP3high細胞は2.3±1.6個/F(肝小葉):4.7±2.8個/F(門脈域) (p=0.28)であった。つまり、BAはnon-BAに比し、小葉域・門脈域ともに存在する CD4+CD25+Treg細胞は多いが、門脈域のCD4+CD25+CD45RA-FoxP3high細胞は有意に少ないことが示唆された。 肝内樹状細胞(CD83陽性)やKuppfer細胞(CD68陽性)のBA肝における局在をみると、CD83陽性細胞は肝小葉:門脈域=18±7個/F:28±13個(p=0.02)、CD68細胞は7±4個/F:16±8個(p=0.01)と、いずれも門脈域に有意に多く、特に微小胆管近傍への集積が顕著であった。CD45RA-FoxP3high細胞の門脈域における局在を多重染色で確認すると、分布は疎であり、その分布領域はCD68陽性細胞が集中する胆管上皮細胞の基底膜側であった。non-BA門脈域においてはCD83陽性/CD68陽性細胞の分布はまばらであり、微小胆管近傍への集積は顕著でなかった。対照的にCD45RA-FoxP3high細胞は胆管上皮基底膜側に相応に存在していた。
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