研究課題/領域番号 |
15K10923
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林田 真 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70452761)
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研究分担者 |
田口 智章 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20197247)
松浦 俊治 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10532856)
柳 佑典 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30596664)
吉丸 耕一朗 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60711190)
山座 孝義 九州大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (80304814)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 肝細胞移植 / 再生医療 / 乳歯幹細胞 / 肝不全 |
研究実績の概要 |
8週齢C57BL/6マウスに、四塩化炭素CCl4(0.5ml/kg)を週2回、計8週間腹腔内投与し、肝障害モデルマウスを作製した。病理学的解析により、肝組織における線維化および肝細胞壊死像が認められた。 次に四塩化炭素CCl4を週2回、計4週間腹腔内投与後、未分化乳歯幹細胞1.0x10^6を脾臓内に注入した。さらに4週間CCl4投与を継続し、解析を行ったところ。病理学的解析により、肝組織における線維化の軽減化ならびに肝細胞壊死像の減少が認められた。治療効果の機序として、星細胞の活性化抑制による線維化の軽減および免疫担当細胞(クッパー細胞、Tリンパ球)の抑制効果による抗炎症効果が示唆された。また、レシピエントマウス肝組織において、ドナー未分化乳歯幹細胞が生着し機能的肝細胞へ分化している事が確認された。この生体内で分化した乳歯幹細胞由来肝細胞を一度単離して取り出し、再度同様の実験にて肝障害モデルマウスに移植した場合でも抗線維化、抗炎症効果がみられた。 また、in vitroにて乳歯幹細胞より肝細胞への分化誘導に成功し、上記実験方法にて肝障害モデルマウスにこの分化誘導肝細胞を移植したところ治療効果が確認されるに至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り薬剤性の肝不全モデルマウスの作製に成功し、乳歯幹細胞および乳歯幹細胞由来肝細胞の移植実験を行った。その結果乳歯幹細胞および乳歯幹細胞由来肝細胞の薬剤性肝障害に対する治療効果を確認するに至った。
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今後の研究の推進方策 |
乳歯幹細胞および乳歯幹細胞由来肝細胞の薬剤性肝障害に対する治療効果について、その作用機序や長期成績について解析を進めていく。今後は他の肝不全モデルについても治療効果の検証を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
乳歯幹細胞および乳歯幹細胞由来肝細胞の薬剤性肝障害に対する治療効果についての作用機序や長期成績解析が継続中であるため。
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次年度使用額の使用計画 |
乳歯幹細胞および乳歯幹細胞由来肝細胞の薬剤性肝障害に対する治療効果について、その作用機序や長期成績について解析を進めていく。また、他の肝不全モデルについても治療効果の検証を行う予定である。
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