研究課題/領域番号 |
15K10924
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宗崎 良太 九州大学, 大学病院, 助教 (10403990)
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研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医学部, 教授 (00363359)
植村 宗則 九州大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (50636157)
木下 義晶 九州大学, 大学病院, 准教授 (80345529)
小幡 聡 九州大学, 大学病院, その他 (30710975)
神保 教広 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10650559)
田口 智章 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20197247)
橋爪 誠 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90198664)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 神経芽腫 / 手術シミュレーション / ナビゲーション手術 |
研究実績の概要 |
神経芽腫は、小児固形悪性腫瘍においては最も頻度の高く、同一腫瘍内においても、術前治療に反応して良性方向へ分化する部分と、化学療法の効果が少なく悪性度の高い部分が混在する症例も存在する(heterogeneity)。また重要血管を巻き込み、全摘困難な症例もあり、手術合併症から、術後の化学療法が遅れ予後に影響する場合もある。今回我々は、神経芽腫における手術において、「術前画像に基づく術中ナビゲーションシステムの開発」と「術前画像を用いて3Dプリンターを用いた立体モデルによる術前手術シミュレーション」を行い、神経芽腫における術中の同一腫瘍内の悪性度の可視化と、同一腫瘍内の悪性度を考慮した手術シミュレーションシステムの開発を行い、神経芽腫外科療法の成績と安全性の向上を目的とした。 当科においては、手術ナビゲーションについては、腹腔鏡下脾臓摘出術や小児悪性腫瘍に対してすでに報告した経験があり、3Dプリンターを用いた立体モデルについては、人工的な疑似腸管を作成し縫合手術のシミュレータの開発や肝芽腫に対して3Dプリンターを用いて3Dモデルを作成し術前肝切除シミュレーションを行った経験があり、それらの技術を発展させ、術前CTやMIBGシンチ画像から術中画像支援システムとしてナビゲーションシステムの開発と、3Dプリンターを用いてテーラーメード型の切除可能な神経芽腫モデルを作成し手術シミュレーションを行う予定とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3Dプリンターを用いた立体作成臓器をもちいた手術シミュレーションについては、3例の副腎原発神経芽腫において、術前撮影CT画像より、3Dプリンターを用いて立体臓器モデルをすでに作成した。トロッカー挿入可能な樹脂素材を用いて、体躯を作成し、実際の腹腔鏡下右副腎腫瘍摘出術と同様の視野での腫瘍位置のシミュレーションや、トロッカー位置の検討などに使用した。現在、神経芽腫の肝転移症例に対して、肝臓及び副腎腫瘍を含んだモデルを作成し、腹腔鏡下肝生検の手術シミュレーションとして、検討を行っている。 術中ナビゲーションシステムについては、MIBGシンチ画像に基づいた、3D画像作成を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
3Dプリンターを用いた立体作成臓器をもちいた手術シミュレーションについては、すでに、3例の副腎原発神経芽腫において、術前撮影CT画像より、3Dプリンターを用いて立体臓器モデルをすでに作成している。使用した際の利点や問題点などを今後、洗い出し、よりシミュレーターとして有用なモデルの開発を進めていく。さらに、神経芽腫の肝転移症例に対して、肝臓及び副腎腫瘍を含んだモデルを作成し、腹腔鏡下肝生検の手術シミュレーションとして、検討を行い、臓器の変形や後腹膜臓器と腹腔内臓器での差なども検討を行っていく。 術中ナビゲーションシステムについては、MIBGシンチ画像に基づいた、3D画像作成を行、実際の術中の内視鏡画像の画像支援システムとしての有用性について評価を行っていく予定である。
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