研究課題/領域番号 |
15K10926
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
古川 泰三 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20515291)
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研究分担者 |
佐和 貞治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10206013)
木村 修 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (10315963)
坂井 宏平 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30515292)
田尻 達郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80304806)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 小児呼吸器外科学 / 先天性横隔膜ヘルニア / ウサギ / Tracheal occlusion / ボンベシン |
研究実績の概要 |
我々はこれまでnitrofenを投与して作成したCDHラットモデルに対して神経ペプチドであるボンベシン(BBS)が肺成熟を促す作用があることを証明した。しかし、nitrofen投与モデルはCDHを認めなくても低形成肺をきたすと言われている。今回nitrofenによる肺低形成作用因子を除外するため、またCDH胎仔を出生させた後の呼吸状態を観察するために、ウサギ胎仔の横隔膜を人工的に切開したモデルを作成し、BBSの効果を検討する。動物モデルとしてNew-Zealand White rabbitの妊娠ウサギ(term 31days)のpseudoglandular stageの時期に相当する妊娠23日にウサギ胎仔を子宮から取り出し、左開胸を施行し、左横隔膜の一部を切開し横隔膜ヘルニアモデル(DHモデル)を作成。H27年度は、これらのモデルにボンベシンし、投与群、非投与群に分け効果を判定することであった。H28年度に予定していた研究は、H27年度にDHモデル作成を安定化させ、その後、気管閉塞モデル(TOモデル)を作成して、ボンベシンを投与しその効果を検討することであった。現在、妊娠ウサギへの麻酔薬の投与量を調整しながらDHモデル作成を安定化させるように試みている。妊娠ウサギの麻酔は安定しつつあるが、ウサギ胎仔の左横隔膜を切開し得たDHモデルが、再開腹時に死亡していることが多く、手技を安定させる必要がある。次年度はTOモデルも順次作成して行くことにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度の研究はDHモデルを作成した後、気管閉塞モデル(TOモデル)を作成して、ボンベシンの効果を検討する予定であった。麻酔薬投与量の調整は安定してきたが、DHモデルウサギが、再開腹時に死亡していることが多く。DHモデル作成としては未だ安定していない状況である。進捗状況としては遅れているが、安定したDHモデル作成ができるように作成手技を検討し、さらにTOモデルを作成してボンベシンの効果を評価していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
DHモデル作成を安定させるために、麻酔薬投与量の調整を万全にし、手術手技を確立させ安定したDHモデル作成を目指す。本研究はモデル作成が安定すれば、その後の肺組織の検体から生ずるデータ解析は問題なく進めることができるため研究結果がすぐに判明することになる。次年度で最終となることもあり次年度前半までにDHモデル作成及びTOモデル作成の安定化に焦点を当て、研究を進めて行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の研究が滞っているため、組織学的評価に必要な抗体などの消耗品の購入がほとんどなかったこと。また、研究結果を学会で発表することもなかったことから支出が少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
DHモデル作成が安定しつつあるため、次年度は必要な抗体などの消耗品の購入して組織学的評価を行なって、結果が出次第、学会報告をする予定であり、未使用の研究費と次年度の研究費をそれに宛てがう予定である。
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