研究実績の概要 |
本研究では、難治性創傷においての炎症期の遅延におけるmicroRNAとマクロファージの変換異常との関連性をあきらかにすることを目的とした。難治性創傷が低酸素(hypoxia)環境に盛んでいるため、hypoxia条件でのマウスマクロファージ細胞を用いたin vitro実験を行いました。RealTime PCR法を利用してHypoxiaによる様々なmicroRNAの発現変換を検定した。MicroRNAの中でmiR-21,miR-27a, miR-29a, miR-29b, miR-146, miR-146bの発現変換が見られた。さらに、増殖因子であるTGFbeta1又抗炎症剤であるsulforaphaneにより影響受けていることも分かりました。miR-21の場合、解析したところprimary miR-21, precursor miR-21, mature miR-21-5p, mature miR-21-3pそれぞれがhypoxiaの影響を受けていることが確認しました。マクロファージのM1(炎症性)マーかー蛋白質(TNFalpha, iNOS, interleukin-6)又はM2(抗炎症性)マーカー蛋白質(interleukin-10, Arginase1, interleukin-4)の発現もRealTime PCRおよびImmunoblot法により検定を進みました。 現在、M1.M2マーカー蛋白質の発現と各microRNA(miR-21,miR-27a, miR-29a, miR-29b, miR-146, miR-146b)の発現が関連しているかを検定するところである。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画は、発現変換されたmicroRNAのantagonist又は前駆物質をマクロファージ細胞内へ導入し、それぞれmicroRNAノックダウン又は過剰発現させた細胞を作成する。M1マクロファージのM2へとの変換をFlowcytometry, RealTime PCR,免疫ブロット法によりけんていする。さらに、強く関与しているmicroRNAを用いてin vivo実験へ進む。糖尿病性マウスを用いて難治性創傷を作成し、選んだmicroRNAのantagonist又は前駆物質を投入し、創傷治癒に影響及ぼすかどうかを調べる。 得られた結果を取りまとめ学会発表を行う。
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