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2018 年度 実績報告書

末梢神経損傷に対する細胞移植治療を目的とした新規シュワン細胞誘導法

研究課題

研究課題/領域番号 15K10946
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

素輪 善弘  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80468264)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードシュワン細胞 / 線維芽細胞 / 直接転換 / ダイレクト・リプログラミング / 末梢神経 / 坐骨神経
研究実績の概要

ゼノフリーの培養系の樹立の検討
我々が線維芽細胞から直接転換で誘導したシュワン細胞の臨床応用を考えた時、導入の過程で動物由来の血清を使用することは、未知のウィルスの混入などをの可能性を完全に排除することができないことなど、使用上の安全面において障壁となる。そこで、遺伝子導入後のヒト線維芽細胞を、FBS添加培地に換えて種々の無血清合成培地、またはヒト血清を添加した培地を用いて培養を行い、最適なゼノフリー培養条件を検討した。しかしながら、FBS添加培地に比して、シュワン細胞へのダイレクト・リプログラミングの効率が37%から5%に低下した。また誘導した誘導シュワン細胞のViabilityも低下することが明らかとなった。今後、誘導したシュワン細胞の培養下維持のためにFBSに含有されている必須の因子を同定することが必要であり、今後の重要な研究課題と思える。

線維芽細胞以外の体細胞(血液リンパ球、脂肪由来の間質細胞)からの誘導
皮膚線維芽細胞以外のさらなる低侵襲な体細胞として、血液由来の細胞もしくは脂肪組織由来の間質細胞が考えられる。これらの細胞を、線維芽細胞と同様の方法で遺伝子導入後、シュワンに誘導される効率と誘導に要する期間を比較し、もっとも適した細胞を検討した。血管内皮細胞を細胞材料としても、20%近くの効率でシュワン細胞に誘導できたが、内皮細胞の増殖力が乏しく、遺伝子の導入効率に問題があった。一方、皮膚線維芽細胞の代替え細胞として脂肪組織由来の間質細胞は、皮膚線維芽細胞を上回る(45%)導入効率を示した。しかし、われわれが目指した線維芽細胞60%以上のシュワン細胞への誘導効率を持つ代替え細胞ソースが見いだされた。今後、線維芽細胞に代わる細胞材料として脂肪間質細胞が注目されていくことが予想される。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)

  • [学会発表] Direct Conversion of Human Fibroblasts into Schwann Cells that Facilitate Regeneration of Injured Peripheral Nerve In Vivo.2018

    • 著者名/発表者名
      素輪善弘, 岸田綱郎, 沼尻敏明, 松田修
    • 学会等名
      学会賞講演 第61回日本形成外科学会総会・学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] (パネル4:神経再生への挑戦) 新規人工神経開発に向けたフィージブルなシュワン細胞供与法の検討2018

    • 著者名/発表者名
      素輪善弘, 岸田綱郎, 沼尻敏明, 松田修
    • 学会等名
      第27回日本形成外科学会基礎学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] Platelet-rich plasma (PRP)はシュワン細胞を介して神経再生を促進させる2018

    • 著者名/発表者名
      素輪善弘, 岸田綱郎, 沼尻敏明, 松田修
    • 学会等名
      第10回日本創傷外科学会
  • [学会発表] 線維芽細胞から転換したシュワン細胞の末梢神経損傷部位への移植効果の検討2018

    • 著者名/発表者名
      素輪善弘, 岸田綱郎, 沼尻敏明, 松田修
    • 学会等名
      第29回日本末梢神経学会
  • [学会発表] Platelet-rich plasma (PRP)はシュワン細胞を介して末梢神経再生を亢進させる2018

    • 著者名/発表者名
      素輪善弘, 岸田綱郎, 沼尻敏明, 松田修
    • 学会等名
      第 10 回 多血小板血漿(PRP)療法研究会, 第 8 回 DDS 再生医療研究会
  • [学会発表] Potential application of adipose tissue in peripheral nerve injury. I2018

    • 著者名/発表者名
      Sowa Y, Kishida T, Numajiri T, Mazda O
    • 学会等名
      (Panel 6: Learn from Asia.) IFATS2018
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Direct reprogramming of Fibroblasts into Schwann Cells2018

    • 著者名/発表者名
      Sowa Y, Kishida T, Numajiri T, Mazda O
    • 学会等名
      The 14th Korea-Japan Congress of Plastic and Reconstructive Surgery
    • 国際学会
  • [学会発表] Direct Reprogramming of Human Fibroblasts into Schwann Cells that Facilitate Regeneration of Injured Peripheral Nerve.2018

    • 著者名/発表者名
      Sowa Y, Kishida T, Morita D, Kodama T, Numajiri T, Mazda O
    • 学会等名
      American Society of Plastic Surgeons 2018
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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