研究課題/領域番号 |
15K10950
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
吉本 信也 昭和大学, 医学部, 教授 (90220748)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | アンケート調査 / 現地協力者 |
研究実績の概要 |
口唇口蓋裂に対する形成術は、先進国による海外医療援助の中でも最も多く行われている手術の1つであると思われる。しかし、発展途上国で行われるボランティア手術では、年長児や成人が対象となることが多く、この年齢では口唇や鼻の形態は劇的に改善されても、言葉に関しての改善はわずかである。 それ故、患者は手術により完全に社会適応ができるわけではなく、単に術者の自己満足に終わっている可能性もある。このような患者が、術後、どの程度社会に適応できているのか? 年齢的に何歳くらいまでに手術すれば、社会適応しやすいのか? 社会適応を阻む要因は何か? また、人種によるケロイドの発生率はどうか? 等々を知ることは、今後の医療援助を考える上で重要と思われる。 平成27年11月ー12月のネパールでの口唇口蓋裂プロジェクトに合わせて現地に赴き、10日間滞在してアンケート調査を行った。ネパールで平成27年4月に発生した地震の影響で、遠隔地からの患者は集まりにくいため、今回は病院周辺の患者を中心に26名に行った。今後も遠隔地からの患者を集めるのは困難が予想されるため、特に遠隔地の患者に対しては、年間を通して現地の協力者に調査を行って貰うことにした。そのため、今回は彼らとの打合せを行い、アンケート内容を確認し、患者撮影用のカメラ等を貸与した。 平成27年度と同様、28年度および29年度も日本の協力者と共にネパールに赴き、現地の協力者と共にアンケート調査を実施する予定である。 口唇口蓋裂に対する医療援助の報告は散見されるが、長期にわたる経過を報告したものは見当たらない。われわれの活動も後数回で終わる予定である。20回目の区切りとして、これらの患者にアンケート調査を行い、今後の医療援助を考える上での参考としたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ネパールで平成27年4月に発生した地震の影響で、遠隔地からの患者は集まりにくくなっているため。
|
今後の研究の推進方策 |
現地の協力者は、患者のカルテを管理している者である。我々が赴く病院の近くにも多くの患者がおり、先ずその患者を中心にアンケート調査を行うとともに、随時、ネパール各地へも出かけてアンケートを実施して貰う。我々がネパールに赴いたときは、現地の協力者と共にアンケート調査を行うとともに、彼らが1年かけて行ったアンケートに対して検討を行う。全体を通しての目標は、150ー200名である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該研究のアンケート調査において、病院との事前やりとりや現地研究協力者との連絡、現地での患者とのアレンジ、また航空券や宿泊の手配等全てをADRA JAPANが代行して行っていたため、請求書や領収書を著者の分だけ切り離して単独で発行することが難しいとのことで、現在のところ経費の申請は行えていない。 また、ネパールで平成27年4月に発生した地震の影響で、遠隔地からの患者は集まりにくく、今回は病院周辺の患者を中心に行ったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
今年度以降は旅費等の手配はADRA JAPANを通さず、自分で手配するようにし、スムーズに経費申請できるようにしたい。 また、今後も遠隔地からの患者を集めるのは困難が予想されるため、特に遠隔地の患者に対しては、年間を通して現地協力者に調査を行って貰う予定である。
|