研究課題
外傷急性期の凝固障害の病態に関する様々な知見が提示されている。欧米からは、外傷急性期の凝固障害を内因性の抗凝固物質による“自己抗凝固”ととらえる説が声高に主張されている。しかし、この仮説は、我々が発信してきた病態(線溶亢進型Disseminated intravascular coagulation (DIC))と大きく異なる。本研究では、外傷急性期の凝固障害、特に組織/臓器側からの凝固障害に着目し、平成27年度には下記の点を明らかにすることを計画した。① 臓器全体としての抗凝固能/線溶能/抗線溶能の変化。② 血管内皮細胞上の抗凝固物質に対する組織学的検討。③ 血小板内と血漿中のPAI-1 の変動。④ mRNA レベルでの抗線溶能の変化①②:Thrombomodulinに関しての検討では、肝組織での血管内皮細胞上に発現しているThrombomodulinを免疫染色で検出することは可能であった。しかし、外傷侵襲の有無での差異を病理的に検出することは不能であった。臓器全体を、ホモジナイズしてのThrombomodulinの抗原量を評価したが、外傷侵襲の大きさや、採取のタイミングなど様々な条件を設定しても、有意となる差異は検出できなかった。tissue-plasminogen activatorやplasminogen activaor inhibitor-1に関しての検討は、未着手である。③ 事前検討中。④ 未着手である
3: やや遅れている
Thrombomodulinに関しては、各種条件設定を変更し、検討を繰り返しても陰性所見であったため、検討期間が予定よりも長期化した。
検討手法および条件は設定が終了しているこのため、検討対象物質を順次変更し実験を進める
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