研究課題/領域番号 |
15K10974
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
牧野 洋 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (10397408)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脳動脈瘤 / 動物モデル / 腸内細菌 / 乳酸菌 |
研究実績の概要 |
未破裂脳動脈瘤に対しては現在、薬物を含むより非侵襲的な代替療法の開発が待たれている。脳動脈瘤の発生及び破裂のプロセスには、血管の炎症が重要な役割を果たす事が解ってきており、抗炎症作用を持つアスピリン服用患者では、脳動脈瘤の破裂率が低い事が注目されている。申請者は、申請者自身がその確立に関与したマウス脳動脈瘤モデルを用い、薬物による脳動脈瘤破裂予防法の研究を行っており、抗炎症作用とMMP抑制作用のあるミノサイクリン及びドキシサイクリンが未破裂脳動脈瘤の破裂率を低下させる事を明らかにしている。
心血管系の疾患を引き起こす、肥満やⅡ型糖尿病の発症に腸内細菌が密接に関与する事はこの10年ほど数多くの研究者により指摘され続けてきた。本研究では腸内細菌の制御が脳動脈瘤の破裂率に影響を及ぼすのか否かを研究する事が目標である。海外研究協力者を訪問しディスカッションを行うなど協力して研究を進める事ができた。
研究と並行して、1: 動脈瘤の破裂したマウスにおける麻酔の安全性を高めるために、必要最小限の麻酔濃度を定量し、学会発表を行った。2: 脳動脈瘤の破裂をより確実に判断する手法の確立を行った。3テスラMRI装置と小型サドルコイルを用い、撮影方法を工夫したところ、MRAを用いて脳動脈瘤を、T2強調画像でくも膜下出血を非侵襲的に描出する事に成功したため、論文発表を行った。Makino H, et al.Successful serial imaging of the mouse cerebral arteries using conventional 3-T magnetic resonance imaging.J Cereb Blood Flow Metab. 35: 1523-7, 2015
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3テスラMRI装置と小型サドルコイルを用い、撮影方法を工夫する事で、MRAを用いて脳動脈瘤を、T2強調画像でくも膜下出血を非侵襲的に描出する事に成功し、論文発表を行った事は本年度の重要な成果である。本題であるところの腸内細菌叢の制御に関しては、海外研究協力者と共に研究を進めており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本題に並行して行った脳動脈瘤、クモ膜下出血の非侵襲的診断法については一定の成果を得た。本題についても国際共同研究を進めているが、今後もより一層研究を進める所存です。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究はおおむね順調に推移しているとしたが、並行して行った課題もあったため、ごく一部に遅滞がみられる。そのため残余額が生じたと考えている。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度以降研究を加速させ、未使用分を使用する計画です。
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