研究課題/領域番号 |
15K10976
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
高橋 完 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (80346014)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 敗血症 / 麻酔薬 / 脳保護 |
研究実績の概要 |
本研究ではATPをエネルギー源とする脳に対する麻酔薬の保護作用についてエネルギー代謝ならびにアミノ酸代謝の面から解析して,未だ有効な特異的治療法がない敗血症性脳症の発症メカニズム解明と麻酔薬によるその治療へと展開するための研究基盤を確立することが目的である。 平成27年度はまずラットにエンドトキシンを投与することにより敗血症モデルを作成する予定であった。ラットの敗血症モデルを作成する方法としては,エンドトキシンを静脈内あるいは腹腔内に投与する方法(LPS法)と盲腸を結紮後穿刺して腹膜炎を発症させる方法(CLP法)がある。エンドトキシンを直接体内に投与するLPS法は短時間のうちに敗血症を発症するが,投与量が多いとすぐに死亡してしまい以後の実験遂行が不可能になるという欠点がある。また,CLP法は12時間程度以上の時間が経過しないと敗血症を発症しないという欠点がある。敗血症性脳症は急性期の意識混濁からせん妄を含めた慢性期まで遷延する意識障害まで様々な病態があると考えられるが,今回の研究では急性期について評価することにし,結局LPS法を選択することにした。 当初の予定では核磁気共鳴法を用いて脳内のエネルギー動態を観察するつもりであったが,まずは敗血症を発症することにより血中に増加する炎症性サイトカインについて評価し,脳実質あるいは脳脊髄液中の炎症性サイトカインについても同様に評価することを計画している。敗血症の本態は高サイトカイン血症であり,その際に脳内でサイトカインがどのような動態を示すかを解明することが重要であると考えたからである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ラットの敗血症モデルの作成について再検討を行った。また,炎症性サイトカインを測定する酵素結合免疫吸着法(ELISA)を行う準備をしているために当初の予定よりも遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
まずはELISA法により炎症性サイトカインを安定して測定できるようになることを計画している。また,敗血症早期から上昇すると言われている新しいマーカーであるsoluble-CD14(プレセプシン)についても注目している。プレセプシンが麻酔薬によって変化するかどうかを観察することによって,麻酔薬が敗血症の病態に影響するかどうかを知ることができるかもしれないからである。
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次年度使用額が生じた理由 |
主体となる実験方法に変更が生じたため,購入する機材や薬剤等を再考している。
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次年度使用額の使用計画 |
ELISA法によりサイトカインの測定を行うために必要な機材や薬剤の購入する予定である。
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