研究課題/領域番号 |
15K10988
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
六車 崇 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (50330569)
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研究分担者 |
森村 尚登 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (20239685)
問田 千晶 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30632632)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 小児救急 / 小児集中治療 / 重症度スコアリング / 救命救急 |
研究実績の概要 |
[背景] 重篤な小児傷病者の診療および医療体制の整備は 極めて重要な課題である。 診療内容や診療体制の評価には、搬入時の状態から予測される死亡率(予測致死率) と 実際の死亡率(実死亡率)の差を検証することが不可欠、すなわち予測致死率の算出は極めて重要である。しかしながら予測致死率は、疾患分布・医療事情・社会背景など 種々の要因の影響を受けるため、諸外国で作成されたスコアリングの転用は データの誤った解釈に繋がりうる。 そのため、現在の本邦の医療水準に適合した予測致死率スコアリングの算出法の開発が必要である。 [目的] 国内の医療事情に適合した重篤小児症例の予測致死率の算出法、スコアリングシステムを開発すること。 [方法] 症例レジストリを用いた前方視的観察研究。日本重篤小児診療レジストリにを用いて16歳未満の症例(2015年4月 から2019年3月)データを収集し、算出式を作成・検証する。 [結果] 小児重症例を診療する計 20 の施設から、デ ータベースを用いて 11508 例のデータを得た。 27~29 年度のデータ 8596 例から、豪州で開発 された既存の予測致死率スコア PIM2 (Pediatric Index of Mortality) と同じ説明変数を用いた多変量ロジスティック回帰 モデルを用いて算出式を作成した。 これを30年度の 2912例を用い検証。 識別能(ROC 曲線下面積)は 0.957 (PIM2 では 0.965) は同等、適合度(hosmer-lemeshow 検 定)は 8.84 (同 7.49) と若干改善、実死亡率 との乖離(標準化死亡比) 0.85 (同 0.47)と 大幅改善していた。 [結語] 実死亡率との乖離が大幅に改善した算出式を開発できた。日本国内の重篤小児診療の より妥当な指標による実績検証に寄与しうるものと考える。
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