研究課題/領域番号 |
15K10995
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
石井 友理 東京医科大学, 医学部, 助教 (20649660)
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研究分担者 |
三島 史朗 東京医科大学, 医学部, 教授 (20260862)
瀬戸口 靖弘 東京医科大学, 医学部, 教授 (90206649)
園田 清次郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (40226717) [辞退]
坪井 良治 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70221421)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Aquaporin / 呼吸器誘発肺障害 / ウェスタンブロッティング |
研究実績の概要 |
Ratにおける人工呼吸による換気量増大が肺障害に与える影響を検証する目的に、一回換気量6ml/kg、15ml/kg、25ml/kgの各人工呼吸群における平均気道内圧と乾湿重量比を測定した。乾湿重量比を比較するためにt-test解析を行い、6ml/kg群と15ml/kg群(p<0.05)、6ml/kg群と25ml/kg群(p<0.01)のそれぞれに統計学的有意差を認めた。これにより、本研究の呼吸器誘発肺障害モデルにおいて換気量増大が肺障害に影響することが、乾湿重量比によって明らかにされた。 人工呼吸器による換気量増大に伴う肺障害程度とaquaporin(AQP)発現との関連を検証する目的に、一回換気量6ml/kg、15ml/kg、25ml/kgの各人工呼吸群におけるAQP1とAQP5のリアルタイムRT-PCR解析を行った。t-testによって、AQP1においてShamと15ml/kg群、25ml/kg群(p<0.01)、6ml/kg群と25ml/kg群(p<0.05)、AQP5において6ml/kg群と15ml/kg、25ml/kg群(p<0.05)のそれぞれに統計学的有意差を認めた。この結果を裏付ける目的に、①リアルタイムRT-PCRのサンプル数を増やした。②AQP1とAQP5の蛋白発現レベル測定を行うためにウェスタンブロット法を用い、蛋白発現レベルの安定した測定に成功した。 現段階で、Ratを用いた本研究のモデルにおけるリアルタイムRT-PCR解析により、AQP1とAQP5のmRNAが換気量を増大した群で減少していたことから、呼吸器誘発肺障害とaquaporinとが関連している可能性が示唆された。さらに本研究の動物実験モデルからのAQP1とAQP5の蛋白レベルの測定に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
侵襲モデル作成の安定化に難渋し、侵襲群のサンプル数を獲得するために時間を要したため。また、ウェスタンブロッティング手技を習熟するために時間を要した他、検査試薬の製造が一時的に中断され入手困難な状態に陥ったため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、Ratを用いて呼吸器誘発肺障害モデルを作成し、換気量増加および持続時間による肺障害程度、肺障害とaquaporin(AQP)1及び5の発現と関連性、並びにAQP阻害による肺障害への影響を(1)in vivoと(2)単離肺モデルで検討する。【研究実績の概要】を踏まえ、①人工呼吸による肺障害が換気増大によることが乾湿重量比によって明らかにされ、②呼吸器誘発肺障害がAQP発現に与える影響をmRNA定量によって検証中であり、ウェスタンブロット法へも着手している。次の工程として、mRNA定量のサンプル数を増やし、ウェスタンブロット解析での検証を進める。③AQP阻害によって呼吸器誘発肺障害が影響を受けるかを、乾湿重量比と肺組織学的観察、TUNEL法によって検証する。④AQP阻害によって呼吸器誘発肺障害がAQP発現に影響するかをmRNA定量、ウェスタンブロット解析を行って検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
【現在までの達成度】において、遅れが生じていることから、今年度の支出額が予想額より少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
【今後の研究の推進方策】の計画に従って研究を推進する。
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