侵襲下に生じる血管透過性亢進は、臓器障害発症の一因である。本研究は、血小板あるいは赤血球の血管透過性亢進に対する調整力の有無を確かめることにある。 マウス盲腸結紮穿孔(CLP)モデルにおいて、バイオインピーダンス法で測定した細胞外液増加率と血中可溶性VE-Cadherin濃度は正に相関した。血小板と赤血球はcadherinの正の調整因子とされるが、CLP早期は赤血球の生理学的変化は乏しく、血小板依存性のAngiopoietin-1(Ang-1)減少が顕著であった。血小板由来のAng-1含有血漿の投与は、CLPモデルの血管透過性亢進を抑制したことから、治療モジュレーションとなりうると考えられた。
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