研究課題/領域番号 |
15K11001
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
敦賀 英知 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (30295901)
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研究分担者 |
岡 暁子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (60452778)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 細胞外基質 / 毛様体上皮 / 歯根膜 |
研究実績の概要 |
歯根膜と目のオキシタラン線維の構成分子の解析を通して機能的な歯根膜オキシタラン線維の形成に関与する分子の同定を目指している。本年度は生化学的分析と形態学的分析により研究を実施した。 1.生化学的分析 オキシタラン線維の架橋酵素トランスグルタミナーゼに関して、ウェスタンブロット法により非伸展群、伸展群ともにその培養細胞層への沈着が確認された。また、オキシタラン線維の構成分子であるFibrillin-1とFibrillin-2について、歯根膜線維芽細胞ではその構成比率はほぼ同じであるのに対し、目の無色素毛様体上皮細胞では、初期にFibrillin-1の発現が優位で、線維の成熟につれてFibrillin-2の発現および沈着の増加傾向が認められた。MAGP-1に関しては、歯根間線維芽細胞ではFibrillin-1陽性オキシタラン線維に共在するのに対し、目の無色素毛様体上皮細胞ではFibrillin-1陽性オキシタラン線維とは独立して成長する傾向が認められた。Fibulin-5に関しては、歯根膜線維芽細胞ではMAGP-1同様、オキシタラン線維に共在傾向が見られ、目の無色素毛様体上皮細胞では少なくとも培養3週目まではその発現が観察されなかった。LTBP-2に関しては、歯根膜細胞では染色条件が線維の成熟に比例してその沈着が観察できたが、目の無色素毛様体上皮細胞では染色性が低く現在解析中である。 2.形態学的解析 伸展軸とオキシタラン線維のアングル解析にあたり、それぞれが細胞長軸とのなす角度を測定した。伸展軸と細胞長軸はほぼ直行した。また、オキシタラン線維と細胞長軸はほぼ直行する傾向がみられた。これにより、伸展軸とオキシタランは同方向に再配列すると考えられた。これらの傾向は非伸展群よりも伸展群に顕著であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯根膜線維芽細胞と目の無色素毛様体上皮細胞の発現分子の同定とともにその発現および沈着傾向がおおむね把握できたため。
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今後の研究の推進方策 |
目の無色素毛様体上皮細胞におけるLTBP-2の発現および沈着を形態学的および生化学的に確認した上で、今年度に得られた分子分で歯根膜線維芽細胞と目の無色素毛様体上皮細胞を比較し、歯根膜オキシタラン線維の特徴を抽出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた細胞培養に関する消耗品に未使用分が残っていたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度計画予定のMAGP-1の発現抑制実験におけるsiRNAの設計およびトランスフェクション試薬の購入に合わせて使用する予定である。
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