研究課題
基盤研究(C)
病理組織標本でがん細胞による同種アポトーシス細胞貪食がしばしば見出されるが、本現象の生物学的意義は不明である。そこで「がん細胞は同種のアポトーシス細胞を貪食することで、自身の細胞機能を活性化する」という仮説を立て、検証した。アポトーシスを誘導した培養細胞を同種生活細胞と共培養すると、多くの生活細胞がアポトーシス細胞を細胞質内に取り込んだ。アポトーシス細胞は貪食細胞のファゴソームに局在しており、貪食はRac1阻害剤により抑制された。さらに、がん細胞の遊走浸潤能はアポトーシス細胞貪食後に亢進した。これより、同種アポトーシス細胞貪食によるがん細胞機能活性化が示され、新規治療標的として期待される。
口腔病理学