本研究では口腔連鎖球菌:ミチス群(MGS)やアンギノーサス群(AGS)における,溶血性細胞溶解毒素(HL)の未知分子の探索,HL発現調節と病原性の関連性,またS. mitis(SM)においてHL遺伝子伝搬を介した病原性化機構を検討した。MGSのS. infantisではHL遺伝子の菌種間伝搬を示唆する,SMの5ドメイン型HL(5D-CDC)と最も近縁で活性も類似したHLを見出した。また5D-CDC遺伝子直後にISを持つ5D-CDC保有SM株ゲノムと形質転換促進ペプチドの存在下にHL非保有株を培養すると5D-CDCが伝搬し,ISが関わるHL伝搬機構でSMは病原性化する可能性が示唆された。
|