研究課題/領域番号 |
15K11015
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
宮崎 敏博 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (10174161)
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研究分担者 |
川根 徹也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 技術職員 (00265208)
森石 武史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (20380983)
馬場 友巳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (60189727)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | タウ蛋白質 / 象牙芽細胞分化 / ネスチン / 遺伝子改変マウス |
研究実績の概要 |
研究代表者は、これまでの研究により微小管関連蛋白の一種であるタウ蛋白質(Mapt: microtubule-associated protein tau)を新規象牙芽細胞分化マーカーとして特定した。本研究は、象牙芽細胞特有の細胞質突起(象牙線維)の形成メカニズムを解明するために、象牙芽細胞における細胞骨格関連因子の機能についてMaptを中心として解析している。今年度は作製したMaptノックアウト(Mapt-KO)マウスの表現型解析に重点を置いて解析を行った。一方で、野生型マウスにおける象牙芽細胞分化・成熟に伴う発現パターンの詳細な動態解析を、Maptと中間径フィラメントで象牙芽細胞分化マーカーの一つであるNestinについて、免疫電子顕微鏡を中心とした免疫組織化学によって行っている。 Mapt-KOマウスは、CRISPR/Cas systemにより作製したMaptヘテロマウスを3ライン確立し、その掛け合わせにより作出している。また、象牙芽細胞特異的コンディショナルノックアウトマウス作製のためのfloxマウスの作製も試みているが、未だ作出できず検討中である。Mapt-KOマウスにおいて、その歯牙形成に顕著な異常は認められず、象牙芽細胞の分化・突起形成も形態的には正常であった。そのため、現在、KOマウスにおける関連遺伝子・タンパクの発現変化を解析中である。免疫電子顕微鏡による野生型マウスにおけるMaptとNestinの発現パターン解析は、比較染色のための至適条件を整備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載したように、Mapt-KOマウスを作出してその表現型解析も進んでおり、Maptの欠損による象牙芽細胞分化への影響や、その他関連因子の動態解析が進んでいる。細胞を用いた機能解析のための象牙芽細胞様細胞(MDPC23細胞)については、入手した2カ所の細胞ともに異常が認められたため解析を行うことができなかったが、電子顕微鏡によるMaptとNestinの発現パターン解析は順調に進んでおり、全体的な進捗状況としては問題なく行われている。
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今後の研究の推進方策 |
概要と達成度の欄に記載した内容に基づき、1)Mapt-KOマウスにおける、細胞骨格に関連する各種因子の発現について、野生型マウスとの間でマイクロアレイ解析などで比較して表現型分析するとともに、2)その他の遺伝子改変マウスの作製の継続とそれらの表現型解析を行う。また、3)電子顕微鏡による象牙芽細胞突起形成におけるMapt、Nestinの発現パターン解析を継続して行い、その結果を基に各種の象牙芽細胞分化タンパクの発現パターンとの関連についても新たに解析していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
Mapt-KOマウスの表現型解析の結果、マイクロアレイ解析等の新たな遺伝子解析と、それに伴う遺伝子改変マウスの作製の必要性が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
Mapt-KOマウスと野生型マウスとの間の遺伝子発現比較のためのマイクロアレイ解析費用や、CRISPR/Cas systemを用いた遺伝子改変マウスの作製費用に充てる。
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