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2016 年度 実施状況報告書

Cre-loxPシステムを利用したGABA・セロトニンの味蕾における機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K11018
研究機関九州歯科大学

研究代表者

瀬田 祐司  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90291616)

研究分担者 豊野 孝  九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10311929)
中富 満城  九州歯科大学, 歯学部, 講師 (10571771)
小野 堅太郎  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40316154)
片岡 真司  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (80364149)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード味蕾 / 転写因子 / Mash1
研究実績の概要

本研究では①味蕾におけるMash1の機能の解明、②味蕾におけるセロトニンとGABAの機能の解明、③味蕾細胞の分化に関係する転写因子の探索を目的として、研究を行った。
1.成体マウス味蕾におけるMash1発現細胞の細胞系譜を検索:昨年度に引き続きMash1発現細胞の細胞系譜の検討をMash1-CreERT2/ CAG-floxed Neo-EGFPマウスを用いて検索した。5日間タモキシフェン投与後、GFP発現細胞と味蕾の各細胞型のマーカーとの局在を検索したが、2型細胞のマーカーとは一致せず、3型細胞のマーカーのみに局在が一致した。
2.成体マウス味蕾におけるMash1の機能解析:Mash1-CreERT2/ CAG-floxed Neo-DTAマウスを作製し、タモキシフェンを投与することで、味蕾におけるMash1発現細胞を変性させることを試みた。タモキシフェン投与により、3型細胞のみの数が減少しているのが確認された。3型細胞のマーカーの中でも、数の減少に差が認められた。以上の結果から、味蕾におけるMash1は3型細胞の分化に関与していることが確認された。
3.セロトニン受容体とGABA受容体の発現の検索:RT-PCRで有郭乳頭上皮における各受容体の発現を検索したところ、セロトニン受容体では5HT1Bと5HT3の発現が認められた。GABA受容体のδサブユニットの発現が認められた。これらの結果から、味蕾おけるセロトニンとGABAが味覚情報伝達に何らかの関与が推測された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定されていた研究計画をおおむね遂行することが出来た。コンディショナルノックアウトマウスにおける機能実験を計画しているが、タモキシフェン投与によるマウスの死亡が多いため、データを得ることが出来ていない。効率のよいコンディショナルノックアウトマウス作製を検討中である。

今後の研究の推進方策

1.味蕾のおけるセロトニン・GABA受容体の発現の検索
①セロトニン受容体・GABA受容体のサブタイプの発現をRT-PCR法で検索する。②①において味蕾で発現が認められたセロトニン・GABA受容体の味蕾における局在をin situ Hybridization、免疫染色を用いて検索する。特に発現が認められた受容体が、味蕾のどの細胞型に発現しているのかを各細胞型のマーカー(gustducin, PGP9.5, NCAM, serotoninなど)との2重染色により確認する。
2.味蕾におけるセロトニン・GABAの機能検索
①Mash1-CreERT2/ CAG-floxed Neo-DTAマウスにタモキシフェンを投与して、味蕾におけるセロトニン産生細胞とGABA産生細胞を変性させる。②2ボトルテストで①のマウスが各味覚に対する感受性の変化が生じているかどうかを検索する。③①のマウスと野生型マウスの舌に味物質(酸味・塩味・甘味・うま味・苦味)で刺激して、舌咽神経ならびに鼓索神経の応答の変化を比較する。

次年度使用額が生じた理由

昨年度は、動物の飼育費が予想よりも少なく済み、結果として残額が生じてしまった。

次年度使用額の使用計画

遺伝子改変マウスの購入等に今年度の残額を充てる予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Expression of vascular nucleotide transporter in rat odontoblasts.2016

    • 著者名/発表者名
      keda E, Goto T, Gunjigake K, Kuroishi K, Udea M, Kataoka S, Toyono T, Nakatomi M, Seta Y, Kitamura C, Nishihara T, Kawamoto T
    • 雑誌名

      Acta Histochem. Cytochem.

      巻: 49 ページ: 21-28

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A spatial association between odontomas and the gubemaculum tracts.2016

    • 著者名/発表者名
      da M, Miyamoto I, Nishida I, Tanaka T, Kito S, Seta Y, Yada N, Saeki K, Matsumoto-Takeda S, Wakasugi-Sato N, Habu M, Kodama M, Kokuryo S, Nishimura S, Matsuo K, Tominaga K, Yoshioka I, Maki K, Morimoto Y
    • 雑誌名

      Oral Surg. Oral Med. Oral Pathol. Oral Radiol.

      巻: 121 ページ: 91-95

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Asorin in compressed periodontal ligament cells inhibits bone formation.2016

    • 著者名/発表者名
      Ueda M, Goto T, Kuroishi KN, Gunjigake KK, Ikeda E, Kataoka S, Nakatomi M, Toyono T, Seta Y, Kawamoto T
    • 雑誌名

      Arch. Oral Biol.

      巻: 62 ページ: 86-92

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス味蕾における膜表面分子の発現2016

    • 著者名/発表者名
      松山佳永、川元龍夫、瀬田祐司
    • 学会等名
      第58回日本顕微鏡学会九州支部学術講演会
    • 発表場所
      北九州
    • 年月日
      2016-12-03 – 2016-12-03
  • [学会発表] Cre-loxPシステムを利用した味蕾Ⅲ型細胞分化におけるMash1の機能解析2016

    • 著者名/発表者名
      高木拓樹、川元龍夫、瀬田祐司
    • 学会等名
      第58回日本顕微鏡学会九州支部学術講演会
    • 発表場所
      北九州
    • 年月日
      2016-12-03 – 2016-12-03
  • [学会発表] マウス味蕾における膜表面分子の発現2016

    • 著者名/発表者名
      松山佳永、川元龍夫、瀬田祐司
    • 学会等名
      第76回九州歯科学会学術総会
    • 発表場所
      北九州
    • 年月日
      2016-05-28 – 2016-05-29
  • [学会発表] Mash1による味蕾細胞分化制御2016

    • 著者名/発表者名
      高木拓樹、川元龍夫、瀬田祐司
    • 学会等名
      第76回九州歯科学会学術総会
    • 発表場所
      北九州
    • 年月日
      2016-05-28 – 2016-05-29

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公開日: 2018-01-16  

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