研究実績の概要 |
筋サテライト細胞は骨格筋組織の形成・維持・再生において中心的な役割を担っており、通常、休止状態の単核細胞として筋線維上に存在するが、筋損傷や運動などの刺激により速やかに活性化され筋線維へと分化する。骨格筋では、胎生期に筋前駆細胞から筋芽細胞へ分化する系統と筋サテライト細胞へ分化する系統に分岐する。本研究では、胎生期マウス舌筋発生において筋前駆細胞から筋サテライト細胞への分化制御に注目して、筋サテライト細胞の分化誘導に働くPax7―Nfix―Notchシグナルを中心とした分子カスケードの制御因子群の解明を目指した。 最終年度では、顕微切断法により胎生10.5~18.5日の舌原基/組織を分離・採取し、筋サテライト細胞の分化制御因子(Pax7, MyoD, Myf5, Myogenin, Nfix, Hesr3、Notch1~4, Dll1,3,4, Jag1,2)と関連因子(CalcitoninR, Sdc3,4, Mstn, M-cad, V-cam, Cxcr4, Caveolin1, Itga7, Cebpb)とDNAマイクロアレイ解析で新たに候補に挙がった遺伝子についてリアルタイムPCRにより定量解析とともに、タンパク局在について免疫組織化学による検証を前年度に引き続いて行った。筋サテライト細胞の分化誘導因子として注目された遺伝子・miRNAの機能検証を目的として、舌原基/組織の器官培養系で、モルフォリノAS-ODN・阻害剤・中和抗体の投与、標的分子を浸漬したビーズ添付によるノックダウンの実験を開始した。筋サテライト細胞の分化誘導に関わるmiRNAを網羅的に解析する目的で、胎生12.5, 14.5, 16.5, 18.5日の筋サテライト細胞が発現するmiRNAについてマイクロアレイ解析を行い、miRNA発現プロファイルを作成した。
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