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2017 年度 実施状況報告書

エナメル基質のロイシンリッチプロテインは破骨細胞分化に関わるか

研究課題

研究課題/領域番号 15K11032
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

畠山 雄次  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (40302161)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードアメロジェニン / 歯根膜
研究実績の概要

アメロジェニンはエナメル芽細胞により産生されるエナメル質基質タンパクであることから、エナメル質特異的タンパクと考えられて きた。しかし我々は、スプライシングアイソフォームが歯周組織に存在し、歯周組織の恒常性維持にかかわることを報告した。近年、アメロジェニンは細胞内小胞膜の膜結合型受容体Lysosome associated membrane proteins (LAMPs)に結合することが報告されている。申請者らはアメロジェニンが歯根膜線維芽細胞を介し、破骨細胞分化抑制することからシグナル伝達因子の可能性を報告し、アメロジェニンの新たな機能を発見した。しかしその詳細な作用機序は不明である。本研究は破骨細胞分化抑制におけるアメロジェニンのシグナル伝達は、細胞膜表面に発現するアメロジェニン結合タンパクを経由したシグナル伝達により行われる可能性を検討するものである。本年度の研究計画に従い、マウス歯根形成過程における免疫染色を行った。その結果、LAMPsとともにアメロジェニン結合タンパクとして報告があった、Glucose-related protein 78 (Grp78) / binding immunoglobulin protein(BiP)は、歯小嚢細胞においては弱い反応を認めたが、骨形成領域においては骨芽細胞に強い反応が認められた。また歯冠形成期においてエナメル芽細胞および象牙芽細胞に反応が認められたが、ヘルトヴィッヒ上皮鞘に弱い反応が認められた。さらに歯根膜線維が形成されている領域において強い反応が認められ、歯根形成完了期においては歯根膜全体に反応が認められた。これらのことから歯根膜線維芽細胞においてアメロジェニン結合タンパクであるGrp78は歯根の形成とともに発現が認められる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は in vitroにおけるマウス歯根膜線維芽細胞におけるアメロジェニン結合タンパクの発現を検討する予定であった。しかし実験に供与できるマウス歯根膜線維芽細胞数を得られなかったため、in vivoにおけるマウス歯根膜線維芽細胞のGrp78発現を検討した。このことより当初研究計画よりも若干の遅れがあると評価した。

今後の研究の推進方策

今後、歯根膜線維芽細胞におけるアメロジェニンタンパクに対する反応性を検討する。また、LRAPの破骨細胞分化制御因子の発現を引き続き検討する。

次年度使用額が生じた理由

試薬購入の際に複数企業間の競争的見積金額の提示により、また当初予定していた試薬の代替同等品の検討により当初の見込みより減額したことから発生した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 化学合成ロイシンリッチアメロジェニンペプチドの 骨芽細胞および軟骨細胞動態に与える影響2017

    • 著者名/発表者名
      松田裕子、鴨頭奈央子、畠山雄次、沢禎彦、玉置幸雄、石川博之
    • 学会等名
      第76回日本矯正歯科学会学術大会
  • [学会発表] アメロゲニン変異マウスのエナメル芽細胞分化過程におけるLAMP-1局在の組織学的検討2017

    • 著者名/発表者名
      鴨頭奈央子、松田裕子、畠山雄次、石川博之
    • 学会等名
      第44回福岡歯科大学総会
  • [学会発表] 機械刺激センサーTRPV4を介する象牙芽細胞様細胞(KN-3)における石灰化機構の解明2017

    • 著者名/発表者名
      畠山純子、畠山雄次、松本典祥、水上正彦、松崎英津子、泉利雄、鷲尾絢子、諸冨孝彦、北村知昭、阿南壽
    • 学会等名
      第147回日本歯科保存学会秋季学術大会

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公開日: 2018-12-17  

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