研究課題
本研究は出生5日、6日、7日令のSDラットを対照群、低濃度群、高濃度群の3群に分けて行った。低真空SEMや光学顕微鏡、AFMなどで組織学的に検索した。メラトニン受容体(MT1とMT2)の局在も検索した。また偏光顕微鏡、CMR分析、MALDI TOF-MS法、顕微ラマン分析やX線回折にて解析した。免疫染色では象牙芽細胞でMT1とMT2の発現が確認され、MT2に比べMT1の発現が強かった。対照群と比較して、メラトニン投与群では象牙芽細胞の背が高く、象牙芽細胞数が増加していた。また象牙芽細胞層に毛細血管が多く分布していた。象牙前質中の石灰化球の数が増加し、大きさも増大していた。MT1の発現がより強かった。偏光顕微鏡では成長線間の層毎に干渉色の違いが見られた。SEMの反射電子像でも、石灰化球の大きさが増大していた。X線回折において、高濃度メラトニン投与群ではアパタイト結晶のピークが明瞭に検出された。AFMでは、夜間のメラトニン高濃度投与群では結晶が均一な大きさで規則的に配列していた。CMR分析では、メラトニンの量に応じて石灰化度がわずかに上昇していた。MALDI TOF-MS分析では2つのピーク(795m/zと818m/z)が増加した。MELDI TOF-MS分析で検出した795m/zと818m/zのピークがⅠ型コラーゲンのα2鎖が分解されたペプチドと考察され、メラトニンによりコラーゲン線維が増加したと考えられる。夜間においてメラトニン投与により血清中のCaやP濃度の挙動に変化をもたらし、メラトニン代謝産物の量が増加した。メラトニンが体内の血中組成に変化をもたらし、象牙質や象牙芽細胞に影響を与え、基質のコラーゲン線維の構造や石灰化機構、アパタイト結晶の結晶性を変化させる可能性が示唆された。
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