研究実績の概要 |
味細胞から神経への伝達物質についてはその候補物質がいくつか提案されているものの、ある味質を受容する細胞とその細胞から分泌される神経伝達物質の関係はATP に関するもの以外は明らかになっていない。そこで脂肪酸の味、塩味、そしてうま味の伝達物質について、神経生理学的手法を用いて明らかにすることが本研究課題の目的である。当該年度において試薬テストとして、マウス鼓索神経全線維束の血管経由伝達物質に対する応答を記録した。試験に用いた物質と投与量はserotonin: 10-200μg/kg、NPY: 50, 100μg/kg、GLP-1: 10-40μg/kg、ATP: 0.01-2mg/kgで、このうち自発発火電位と薬物投与後の電位を計測したところ、serotonin: 100, 200μg/kg、NPY: 50, 100μg/kg、GLP-1: 20-40μg/kg、ATP: 0.3-2mg/kg投与により有意な電位の上昇が見られた。
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