研究課題/領域番号 |
15K11048
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
川根 徹也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 技術職員 (00265208)
|
研究分担者 |
小守 壽文 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (00252677)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 骨代謝 / 転写因子 / アイソフォーム / Runx2 |
研究実績の概要 |
Runx2 は、骨芽細胞分化および軟骨細胞の後期分化における主要な制御因子で、骨形成に必須の機能を有する。本研究では、このRunx2 遺伝子から産生される2つのアイソフォームであるType I Runx2 およびType II Runx2 に関し、それぞれの発現状況を生体内でモニターできるトランスジェニック(tg)マウス、およびType I Runx2 の機能を解析するためのType I Runx2 コンディショナルノックアウト(cko)マウスを作製し、両アイソフォームの時期的・部位的発現状況ならびに機能の違いを明らかにする。 これらの目的のために、Type I Runx2、Type II Runx2 それぞれの発現を反映する、異なる蛍光タンパク質を同時に発現するダブルtg マウスを作製し、2つのアイソフォームの胎生期における発現の経時的変化を解析する。また、P2 プロモーターにloxP を組み込んだマウスを作製、Cre マウスと交配することにより、Type I Runx2 ノックアウトマウス、軟骨細胞特異的Type I Runx2 cko マウス、骨芽細胞特異的Type I Runx2 cko マウスを作製することを計画しているが、当該年度においては、Type I Runx2 flox/flox マウスの作製およびRunx2 アイソフォームの発現をモニターするtg マウスの作製を予定した。flox/flox マウスの作製に関しては、P2 プロモーターの約2.5kb の領域の両端にloxP 配列を組み込んだC57B6マウスの作製に成功した(現在雄2匹、雌4匹)。tg マウスの作製に関しては、BACクローン(RP23-71N21)中の2つの翻訳開始点付近に組換え用のカセット配列を組み込むことに成功し、現在このカセットを蛍光タンパク質cDNA配列に組換え中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度においては、Type I Runx2 flox/flox マウスの作製およびRunx2 アイソフォームの発現をモニターするtg マウスの作製を予定していた。進捗状況としては、flox/flox マウスの作製に関しては、P2 プロモーターの約2.5kb の領域の両端にloxP 配列を組み込んだC57B6マウスの作製に成功した(現在雄2匹、雌4匹)。tg マウスの作製に関しては、BACクローン(RP23-71N21)中の2つの翻訳開始点付近に組換え用のカセット配列を組み込むことに成功し、現在このカセットを蛍光タンパク質cDNA配列に組換え中である。このため、tg マウスの作製に関しては遅れているものの、本研究室においてはマイクロインジェクション以降のtgマウス作製過程は完全に確立しているので、おおむね順調に進展していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の推進方向の変更を余儀なくさせる問題は生じていないので、研究計画調書の計画どおりに進めていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の予定のうち、蛍光タンパク質cDNA配列を組み込んだBACクローンを導入したtgマウスはまだ作製できていない。これは、BACクローンへの蛍光タンパク質cDNA配列導入およびマイクロインジェクション以降のtgマウス作製過程が進行していないためである。この過程に使用されるべき金額が次年度に持ち越されることとなった。
|
次年度使用額の使用計画 |
当該年度の進行の遅れを回復し、予定を完成させるために使用する。
|