研究課題
Runx2は骨芽細胞分化および軟骨細胞の後期分化における主要な制御因子で、骨形成に必須の機能を有する。本研究では、このRunx2遺伝子がコードしている2つのアイソフォームの時期的・部位的発現状況ならびに機能の違いを明らかにする。この目的のために、BACクローン(RP23-71N21)中の2つのアイソフォームの翻訳開始点直下に2種の蛍光タンパク質をコードするcDNA配列を組み込み、これを受精卵に導入してtgマウスを作製した。そして、Type I Runx2-tg、Type II Runx2-tgレポーターマウスのいずれも生殖系列に移行し、安定な系列が確立できた。しかし、Type II Runx2-tgレポーターマウスの発現するAmCyanの蛍光が弱く、検出が困難となった。この成果として、Type I Runx2は骨芽細胞および増殖軟骨層に強く発現しているが、肥大軟骨層には発現がほとんどみられない等の結果が得られた。Runx2 P2プロモーターの予想領域(約2.5kb)をloxP配列で挟んだcKOマウスを作製して、まず全身KOマウスを解析したところ、Type I Runx2 mRNA発現レベルが完全には無くなっていなかった。Type I Runx2-tgマウスの解析結果からType I Runx2独自のプロモーターが存在することは確実なので、作製した2.5kb cKOマウスのType I Runx2翻訳開始点からさらに約24kb上流の位置(Supt3のプロモーター活性に影響しないと考えられる位置)にCRISPR法でloxP配列を組み込みType I Runx2 mRNA発現の完全消失マウスの作製を企て、24kb欠失のヘテロマウスを得た。
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doi: 10.1007/s00418-018-1640-6
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