我々は、サケ白子由来のDNAとプロタミン(P)を用いて作製したDNA/Pスカフォールドは頭蓋骨欠損部モデル動物において骨伝導能を持つことを報告した。しかしながら、このDNAの新生骨の誘導作用機序に関しては不明である。 そこで、骨芽細胞に対するDNAの骨分化関連分子及びその分解産物のリン酸輸送能の効果に関し検討した。DNAは骨芽細胞において骨分化分子の発現を増大させ、同時にリン酸濃度が増加することが明らかになった。又、DNAの添加は骨芽細胞の遊走能を増強した。骨欠損部へのDNA埋入は骨再生を促進した。以上よりDNAはリン酸輸送の活性化と骨形成細胞の遊走を介し骨再生を促進することが明らかになった。
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