研究実績の概要 |
この研究は頭頸部の血管奇形の診断を目的としているが、頭頸部領域におけるASLの報告は少ない。そのためにまず今年度は頭頸部領域の撮影のためにASLの最適化を行った。Siemens社の協力を得て病変のないボランティアを対象とし、頭頚部領域のASLを撮影した。撮像方法は3D ASLを用い、1回のIR pulseでラベリングする方法であるPulsed ASLの手法であるFAIR (flow sensitive alternating inversion recovery)により血液をラベリング後、single shot 3D TGSE (Turbo Gradient Spin Echo)法を用いてデータ収集を行った。TGSE法はspin echoとgradient echoの両方の信号を取得する高速撮像法で、3Dデータを取得することによりスライス断面間でのラベリングの違いなどの影響が大きく軽減されると予想される。撮像領域外で血液をラベリング後、その血液が撮像領域に達する時間を考慮する必要があるため最適なinversion time (TI)を検討する必要があった。そのためにTIを1500, 1750, 2000, 2250, 2500, 4000msと複数個設定した。ボランティア2名では2000msが最適であるという結果であった。 ボランティアを対象に撮像方法を検討後、頭頸部の病変を評価するため患者12人を対象にASLを行った。ラベル画像からコントロール画像を減算し、縦磁化の差(ΔM)を求めた。各TIにおけるΔMをグラフ化し最適なTIを検討した。
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