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2016 年度 実施状況報告書

顎顔面部における可動性蛋白質/ペプチドの化学交換イメージングの検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K11073
研究機関九州大学

研究代表者

筑井 徹  九州大学, 歯学研究院, 准教授 (10295090)

研究分担者 岡村 和俊  九州大学, 歯学研究院, 助教 (20346802)
河津 俊幸  九州大学, 大学病院, 助教 (20294960)
加美 由紀子  九州大学, 歯学研究院, 助教 (60552023)
川野 真太郎  九州大学, 大学病院, 講師 (00398067)
吉浦 一紀  九州大学, 歯学研究院, 教授 (20210643)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードAPTイメージング / 拡散強調像 / TSE DWI
研究実績の概要

前年に引き続き、可動性タンパク質・ペプチド(APT)イメージングの解析をおこなった。ATPイメージングとしては、シングルショットの高速スピンエコー法を用いた。今年度は、飽和パルス1sとし、APTの指標となる±3.5ppmでのMTRの非対称性(MTR asym)を算出した。特に脂肪抑制の有無が、ATPに対する影響を検討した。脂肪抑制ありの時のMTR asym(1s FS+)となしの時のMTR asym(1s FS-)とは、比較的よい相関をみとめた(R2=0.79, slope=0.90, intercept=0.7%)ものの、その差は、0.38±0.31%とかなりの変動を認めた。頭頸部の腫瘍の多くには脂肪をふくまないものの、周囲組織の脂肪の位置ズレや脂肪抑制むらによるMTR asymへの影響が危惧されると考えられた。この点に関しては、脂肪抑制の改善を本年度に行う予定である。

さらに昨年度、充実性の腫瘍において、悪性腫瘍が良性よりMTR asymより高い傾向を認める反面、嚢胞などに高タンパクの液体がある場合は、非常に高い値をとる事が明らかになった。そのため、MTR asym と拡散強調像(DWI)から得られるADC mapを組み合わせて診断をすることを考えている。しかしながら、従来のエコープラナー法によるDWIでは、歪みが大きく解剖画像とfusionする事が難しい状態であった。そのため、本年は、single shotの高速スピンエコーによるDWIの撮像にとりくみ、DWIを良好に解剖画像にfusionする方法を確立した。現在、36症例の口腔扁平上皮がん術後の症例をもとに、DWIをx、y、z3軸方向とも0.5mm以下の平行移動、0.5度以内の回転運動で、良好にfusionできる事が明らかにした。ATP imagingとTSE-DWIのfusionを本年度は行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、脂肪がMTR asymに与える影響を検討した。また良好な脂肪抑制法として、Dixon法を検討している。その手始めとして、頭頸部の脂肪頭頸部のfat fractionに関しての基礎的検討を行う事を行う事ができた。具体的には唾液腺や皮下組織などのfat fractionをDixon法によるイメージベースの解析と従来のMR spectroscopyによる検討を行った。両者により得られたfat fractionがほぼ一致する事や、耳下腺の脂肪peakのうち最大のメチレンピークが60%程度などの結果を得る事ができ、基礎的なデータを習得することができた。
嚢胞腔などの部分もMTR asymが極端に高い事があるため、MTR asymとADCを合わせて判断する事が有用であると考えている。いままでは、DWIは歪みが大きく、解剖画像とfusionする事が困難であった。そのため、歪みの非常に少ないTSE DWIの有用性をH28年度中に検討できた事は非常に有用であったと考える。

今後の研究の推進方策

今年度は、ATPイメージングの画質改善とATPイメージングとADC mapとのfusionを確立する。その上で、臨床症例15症例の蓄積を予定している。

ATPイメージングの画質改善には脂肪抑制法の改善が必要である。現在までの検討で、脂肪抑制法を飽和パルス法からDixon法に変更することにより改善が見られると考えている。また従来、水ピークから±3.5ppmの範囲に対して、周波数を連続的に変えながらの撮像を行なっていたが、時間短縮のため±3.5ppm付近に絞って時間短縮を検討する。

また同時にTSEをベースにした歪みの少ないDWIを取得し、ADC mapを取得する。これによりMTR asym mapとADC mapのfusionが可能となり、腫瘍性病変に含まれる可動性タンパク質・ペプチドと細胞の占める割合を合わせて考える事ができるようになると考えている。蓄積したデータを病理所見の相関を検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

脂肪定量化において、freeのMRS解析ソフトが使用する事が可能であり、予算を圧縮できたこと、他予算での学会出張、研究者のPC購入が可能であった事が、大きな理由である。

次年度使用額の使用計画

当初の計画どおり、最終的な撮像法の改良のため、新たなファントムの作成が必要となり、予算が必要である。また、最終年度で、頭頸部およびMRI関連の学会出張のために予算が必要となる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Estimation of the proton density fat fraction of the salivary gland.2016

    • 著者名/発表者名
      Chikui T, Yamashita Y, Shimizu M, Yoshimura K.
    • 学会等名
      ASHNR 50th Annual Meeting
    • 発表場所
      Washington
    • 年月日
      2016-09-07 – 2016-09-11
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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