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2016 年度 実施状況報告書

口腔癌の骨浸潤モデルにおけるカテプシンK阻害剤の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K11077
研究機関佐賀大学

研究代表者

檀上 敦  佐賀大学, 医学部, 講師 (80452712)

研究分担者 山下 佳雄  佐賀大学, 医学部, 教授 (50322300)
下平 大治  佐賀大学, 医学部, 助教 (70594844)
鶴岡 祥子  佐賀大学, 医学部, 助教 (30612353)
井上 将成  佐賀大学, 医学部, 助教 (10720203) [辞退]
後藤 昌昭  佐賀大学, その他部局等, 理事 (10145211)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード口腔癌 / 顎骨浸潤 / カテプシンK
研究実績の概要

口腔癌は近接臓器である顎骨への浸潤がよく認められる。顎骨への浸潤を伴う進行口腔癌の治療は、顎骨切除を伴う治療が必要となり、術後に顔面の変形、咀嚼機能の低下などの機能障害をきたす。また、その予後は不良であることが多く、口腔癌の顎骨浸潤を抑制することは、がん患者のQOL向上や生存率に貢献すると考える。口腔癌の骨転移は、腫瘍細胞が直接骨を破壊するのではなく、腫瘍細胞近傍のストローマ細胞からのシグナルで破骨細胞が骨を破壊することが知られている。骨浸潤を抑制するためには、破骨細胞を制御する必要がある。現在、破骨細胞の働きを阻害する薬剤で広く用いられているのはビスフォスフォネート系厄災やRANKL阻害剤などの骨代謝調整薬である。これらの薬剤は破骨細胞に特異的に作用して、その機能を抑制する優れた薬剤である。乳癌などの骨転移を起こしやすい腫瘍では他の抗がん剤と併用することで優れた抗腫瘍効果を持子とがわかっている。しかしながら、顎骨壊死等の副作用があるため、顎骨切除が必要な口腔癌の治療では治療に用いにくく、新たな治療法の開発が必要とされている。 われわれはこれまでにカテプシンK阻害効果を持ち生体内のシステインプロテアーゼ阻害剤であるシスタチンCが骨代謝に与える影響について報告してきた。また、近年骨粗鬆症に対してカテプシンK阻害剤の臨床試験が開始されている。本研究は、破骨細胞が骨を吸収する際に不可欠なカテプシンKを阻害する薬剤が口腔癌の骨浸潤にどのように関与しているかを明らかにすることを目的としている。さらに、カテプシンK阻害剤と生体内に存在するシステインプロテアーゼ阻害剤であるシスタチンCがその骨浸潤を抑制出来るかどうかを明らかにしたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度までの実験で口腔癌細胞を用いて顎骨浸潤モデルマウスを作製した。顎骨浸潤モデルマウスの腫瘍を組織学的に解析を進めていったところ、癌組織の一部でカテプシンK陽性細胞を認めた。本来カテプシンKは破骨細胞特異的なシステインプロテアーゼと考えられていたため、扁平上皮癌細胞にカテプシンKが発現していることは想定外であった。
そこで、in vitroで、使用している扁平上皮癌細胞にカテプシンKが発現しているかどうか、カテプシンK阻害剤を添加することで扁平上皮癌細胞の細胞増殖やmigrationに変化があるかどうかの確認実験を行ったため、本来行う予定であったin vivoでの解析が行えなかった。

今後の研究の推進方策

口腔癌顎骨浸潤モデルマウスを用いてμCTで3次元骨形態計測を行う。評価が終了したら、顎骨浸潤モデルマウスにおけるカテプシンK阻害剤やシスタチンCがその骨浸潤の腫瘍抑制効果について組織学的、X線学的に検証する。

次年度使用額が生じた理由

当初の予定と異なり、in vitroの実験に時間を要したため、研究費の使用額が少なくなった。

次年度使用額の使用計画

今年度の持ち越し額は確立した顎骨浸潤モデルマウスの3次元骨形態計測(外部注文)に使用する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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