研究課題
[1] 癌モデル動物の全身免疫能5週齢から雌マウスを馴化、6週齢で同系統由来腫瘍細胞株を皮下に移植、8週齢で脾単核球を単離、そして脾単核球中のT細胞亜集団およびT細胞刺激による脾単核球中のサイトカイン産生能を、フローサイトメーターおよび刺激培養と酵素結合免疫吸着法(ELISA法)により調べた。担癌マウスでは、脾単核球中のCD4陽性T細胞の割合もCD8陽性T細胞の割合も減少していた。また、担癌マウス脾単核球のTh1サイトカインであるインターフェロン (IFN)-γ産生能、Th2サイトカインであるインターロイキン (IL)-4の産生能、そして調節性サイトカインであるIL-10の産生能、いずれも減弱していた。担癌マウス脾単核球のTh1スコア(IFN-γ産生能:IL-4産生能)は増大していた。[2] 放射線被ばくモデル動物の全身免疫能5週齢から雌マウスを馴化、7週齢で放射線被ばく、8週齢で脾単核球を単離、そして脾単核球中のT細胞亜集団およびT細胞刺激による脾単核球中のサイトカイン産生能を調べた。被ばくマウスでは、脾単核球数が減少していた。しかし、脾単核球中のCD4陽性T細胞の割合にも、CD8陽性T細胞の割合にも顕著な変化は観察されなかった。また、被ばくマウスの脾単核球のIFN-γ産生能は減弱、Th2サイトカインであるインターロイキン (IL)-4の産生能は増強、そしてIL-10の産生能は変化していなかった。被ばくマウス脾単核球のTh1スコアは減少していた。
3: やや遅れている
平成27年度は、①癌モデル動物と放射線被ばくモデル動物それぞれを作出し、そして全身免疫能を調べた。②被ばく癌モデル動物の作出が遅れている。平成28年度に、②被ばく癌モデル動物を作出し、そして全身免疫能を調べる。そして、癌モデル動物、放射線被ばくモデル動物と被ばく癌モデル動物それぞれの⑥腫瘍の遺伝子発現の検討と⑦腫瘍の組織化学的な検討をおこなう。
研究計画書に順じて進める。
[1] より安価な代替品を選ぶなどの努力による。[2] ⑥腫瘍の遺伝子発現の検討と⑦腫瘍の組織化学的な検討は、新年度(平成28年度)に、②被ばく癌モデル動物の作出を待ち、条件を統一するためにまとめておこなうためによる。
[1] 本研究計画の発展的内容に挑む。[2] 被ばく癌モデル動物の作出して、⑥腫瘍の遺伝子発現の検討と⑦腫瘍の組織化学的な検討をおこなう。
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