研究課題
本年度はこれまで行ってきたマイクロミニピッグを用いた同種他家由来の脂肪由来幹細胞移植の結果の解析を中心に行った。歯周病モデルはマイクロミニピッグを用いて全身麻酔下で、2%塩酸リドカインを追加で局所麻酔を施した後、下顎臼歯部に対して全層フラップ術によって歯槽骨露出を行い下顎P2根分岐部を歯科用エンジンを用いフィッシャーバーで削除した。その後フィニッシングバーでセメント質を完全位除去し滑沢に整形し、自発的な歯槽骨再生を防いだ。さらに骨再生を妨げ歯周病を惹起するため歯科用シリコン印象材を填入し歯肉を縫合した。一ヶ月後に印象材を除去し、さらに一ヶ月間マイクロミニピッグに通常食事を与え飼育した後に屠殺を行った。歯周病モデル構築の確認を行う為サンプルは顎骨ごと摘出し、10%ホルマリン固定後にマイクロCTによって組織学的に評価を行った。その結果、歯槽骨破壊を伴った歯周病と類似した病態を示すことが観察された。そこで、この確立した歯周病モデルに大網由来の同種他家由来の脂肪由来幹細胞を移植を行うことした。各欠損部に大網から採取した脂肪由来間葉系幹細胞を樹立し、細胞培養を行った。予め石灰化誘導脳を確認した脂肪由来間葉系幹細胞とボルヒールを混合した複合体を欠損部に移植し、1ヶ月後に顎骨ごと摘出し、解析することとした。定量解析の結果、他家移植と自家移植を比較検討したところ、他家移植は自家移植と同程度の歯槽骨再生効果があることが観察された。またHE染色によって組織学的に解析したところ緻密な骨再生が観察された。
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Arch Oral Biol.
巻: 90 ページ: 53-60
10.1016/j.archoralbio.2018.02.017.
巻: 79 ページ: 7-13
10.1016/j.archoralbio.2017.02.019.