研究実績の概要 |
コンポジットレジン修復のある歯の周囲にまたう蝕ができることを二次う蝕と言う. 二次う蝕は、普通う蝕と同様、酸によって歯の表面の脱灰ことによっておこる. 二次う蝕に受けるコンポジットレジン修復とエナメルまたは象牙質のギャップの影響が不明確である. 修復物周囲の二次う蝕は、視診やレントゲン診査による初期の段階での評価が困難である. 光干渉断層計(OCT)は,組織や修復物の断層画像をリアルタイムで観察することができる.本研究は,波長走査型OCT(SS-OCT)を用い,コンポジットレジン修復のギャップ形成を録すること,ならびに接着システムの違いによるギャップ及び二次う蝕形成量を比較検討することを目的として行った. 本研究で以前に開発そたソフトにてギャップ形成量を測定した. それにSS-OCTで歯の脱灰形及び二次う蝕の大きさを撮影または画像処理を行った. SS-OCT 画像において、酸を作用させたコンポジットレジン修復物周囲に輝度の変化がみられ、脱灰層の形成が観察できた. 結果、2ステップセルフエッチング接着材を用いた試料でワンステップに比べてギャップの形成は少なかった. 試料を酸で保管して、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後と5週間後でエナメル質または象牙質の脱灰をSS-OCTで調べた. 詰め物ギャップの基線長と脱会大きさの相関が見られた. 本研究の結果から,以下のことが示唆された. SS-OCTを用いて二次う蝕のサイズを各時点で測った. エナメル質マージンで脱灰進みが象牙質マージンより遅かった. 接着システムにおいて、コンポジットレジン修復のギャップ形成が異なるので、二次う蝕の進行が接着システムにおいて依存する. 臨床的に二次う蝕の進行はpHの変動ような口腔内の要因に依存する.
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