研究実績の概要 |
本年度は、前年度に開発したOCT復物および周囲歯質の三次元(3D)定量解析の手法改善を続けました。本研究ではギャップ形成のタイミングやパターンをリアルタイム観察し、後重合や残留応力による影響を即時的に記録することに成功した。 また、上記の新しい手法を用い、4mm深さ窩洞の新自己硬化バルクフィルコンポジットレジンによる一括充填時の3Dギャップ形成定量解析を行った。光硬化バルク充填複合材は、様々な程度のギャップ形成および体積収縮を示した。自己硬化バルクフィルコンポジットレジンは、より高い体積収縮傾向にもかかわらず、最良のシール性能を示した。本研究の結果は、様々な重合系におけるギャップのメカニズムを理解するために不可欠であった。 本年度はレジンセメントによるの3Dギャップ形成定量解析も行った。これらの成果は第42回American Association for Dental Researchにて口頭発表された。 それに、OCTを用いた低粘度樹脂浸透のによるエナメルギャップの再密封定量解析を行った。低粘性樹脂は、エナメルマージンで微小間隙に効果的に浸透し、既存の複合修復材のシーリングを改善することができた。これらの新たな成果を論文にまとめ、Dental Materials Journalに採択された。 2D,3D, リアルタイムイメージング的手法の確立から、OCT最大の利点である非破壊的、即時的な組織内部観察という特徴を、総体的な視覚化及び定量解析にも応用できたという点で、非常に有意義な成果を得た。
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