研究実績の概要 |
本研究は、同一ラットの下顎第一臼歯より単離・培養した幹細胞を、速やかに培養増殖させるための方法を検索し、これらの細胞をPLLAスキャホールドと組み合わせて、生活歯髄切断法を行ったラット上顎第一臼歯へ移植し歯冠部歯髄を組織工学的手法により再生させることを目的とした。ラット下顎臼歯を抜歯後、歯冠歯髄より歯髄細胞を分散・分離し、pericyteマーカーであるCD146抗体、あるいはMAP1-B抗体と反応させ、CD146+MAP1B+ラット臼歯歯髄幹細胞およびCD146+MAP1B-血管内皮細胞を単離、培養した。さらにこれら血管内皮細胞に対してVEGFを添加し培養・増殖させ、この血管内皮細胞と幹細胞をPLLA/ペプチドハイドロゲル混合型3次元スキャホールドとともにラット臼歯に移植し、観察期間を3、7、14日間として、歯髄再生が誘導可能かどうかを検証している。
おもな研究成果 歯科の著名な国際誌に3本の論文がアクセプトされた。 1. Ito T, Kaneko T, et al. Dental pulp tissue engineering of pulpotomized rat molars with bone marrow mesenchymal stem cells. Odontology. 2. Sueyama Y, Kaneko T, et al. Effect of lipopolysaccharide stimulation on stem cell-associated marker-expressing cells. International Endodontic Journal. 3. Sueyama Y, Kaneko T,et al. Implantation of endothelial cells with mesenchymal stem cells accelerates dental pulp tissue regeneration/healing in pulpotomized rat molars Journal of Endodontics.
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