研究課題/領域番号 |
15K11122
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
加藤 幸紀 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (50281283)
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研究分担者 |
長澤 敏行 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90262203)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | メタゲノム解析 / 根尖性歯周炎 / 動脈硬化症 / ApoH / TLRVYK |
研究実績の概要 |
本研究では健常者と脳梗塞、脳梗塞の原因となる動脈硬化症の既往のある根尖性歯周炎の治療を行っている者を対象として、細菌と疾患との直接的な関わりを明らかにするために脳梗塞患者、動脈硬化症患者および健常者の間で血液、唾液、根管内細菌および外科手術時に炎症性肉芽組織の採取を行い、細菌感染に伴う全身的な炎症、自己抗体の産生を検討するために、血清中の炎症性サイトカイン、抗リン脂質抗体(抗カルジオリピン抗体および抗Apolipoprotein H抗体)、細菌に対する抗体ならびにApolipoprotein H 上のペプチドTLRVYK に対する抗体価を測定し、感染に伴う全身の免疫応答について検討を加えることを目的としている。平成28年度では、被験者を選択し、検体を採取し、PCR法による細菌の解析と合成ペプチドの作製とELISA法を一部、実施した。これまでのところ健常者と脳梗塞患者から得た根管内容物、歯周ポケット、唾液などの検体から歯周病原細菌であるA. actinomycetemcomitans、P. gingivalis、T. denticola、T. forsyyhia をReal time PCR法にて確認した。 平成29年度では、さらに検討を進める。既知細菌を標的としたPCR法の実施と同時に、未同定細菌を含めた細菌の網羅的検討のため、メタゲノム解析を併せて実施する。さらに、SIRVYKとTLRVYKの合成ペプチドを用いた血清中の各抗体価を測定するために、平成28年度において決定したELISA法の条件を用いて、患者血清を検体として抗体価測定を実施する。 平成29年度では以上の結果をまとめ、根尖病変と脳梗塞との関連性について考察する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
収集検体数がまだ予定数に達していないため、解析に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
1.被験者数を確保し、検体を採取する。 2.細菌学的解析:Real time PCR法(サイバーグリーン)、メタゲノム解析 3.血清中の病原細菌血清抗体価と抗リン脂質抗体価の測定 4.合成ペプチドTLRVYK/SIRVYKに対する抗体価測定
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に予定していたメタゲノム解析とTLRVYK抗体価測定を次年度に移行したため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度計画として、①細菌学的解析:被験者から得た唾液、根管内容物、炎症性肉芽組織とを検体として、メタゲノム解析とPCR法を実施する。その結果をもとに動脈硬化症に関与すると考えられる細菌との関連性を検討する。②患者血清中の病原細菌抗体価、抗リン脂質抗体価の測定を実施する。③合成ペプチドであるTLRVYKあるいはSIRVYKを用いて血清中の抗体価測定を実施する。 上記計画の遂行のため、(1)検体採取用キットの購入(2)メタゲノム解析費用(3)PCR法試薬の購入(4)抗体価測定のための試薬購入とペプチド合成費用(5)研究関連学会等への出張旅費として使用する予定である。
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